「おすわり」、「待て」、何度教えても覚えてくれない。お父さんの言うことならきくのに、お母さんや子供達の言うことはきかない。そんな経験はありませんか?なぜ、わんちゃんが言うことをきいてくれないのか、その原因はわんちゃんのルーツに関係があります。今回は、わんちゃんが家族みんなの言うことをきき、お互いがハッピーになれる方法について考えていきたいと思います。

わんちゃんのルーツ

わんちゃんの祖先をご存知ですか?ご存知の方も多いと思いますが、そう、オオカミです。わんちゃんの習性や体の特徴の多くは、祖先であるオオカミから受け継いだものなんです。例えば、偽妊娠は群れの皆で赤ちゃんを育てるための特性ですし、後ろ足にみられる狼爪などはオオカミの名残りのひとつです。
オオカミは群れをなし、群れはリーダーに従って動きます。しっかりとしたリーダーの存在が群をまとまった1つのものにし、社会を作っているのです。

なぜ言うことをきかないの?

それでは、わんちゃんがなぜ言うことをきいてくれないのか、その原因に迫ります。
先ほどお話した通り、わんちゃんはオオカミがルーツです。オオカミの群れにはリーダーが存在します。家庭に迎えられたわんちゃんも『家庭』という群れに属することになります。ご家庭でのリーダーは誰でしょうか?お父さん?お母さんという家庭もあるかもしれませんね。わんちゃんが家に迎えられると、家庭内を観察してまず、誰がリーダーであるかを認識します。しっかりとしたリーダーがいれば、わんちゃんもリーダーに従うでしょう。しかし、リーダーが頼りない場合には自分がリーダーになろうとします。特に男の子のわんちゃんの場合にはその気持ちが強いものです。
また、群れは厳しい縦社会です。立場的に上位者の言うことは絶対服従です。そのため、わんちゃんに言うことをきかせるためには、わんちゃんたちよりも私たちが上位でなければならないのです。私たちが、つい、わんちゃんを優先してしまうことで、わんちゃんは、自分が私たちよりも上位者である、もしくは私たちと同等であると勘違いしてしまいます。そうなると、私たちの言うことは聞かなくなります。私たちでも、同じ立場の人や、目下の人に命令されても従いたくないですよね。それはわんちゃんも同じです。
お父さんの言うことはきくけれどお母さんのいうことはきかない、というのは、お父さん、わんちゃん、お母さんという順位になっているからなのです。

こんなことしていませんか?

では、実際に、どんなことをしたら、わんちゃんが私たちよりも上の立場だと勘違いしてしまうのでしょう。

⚫︎自分たちよりも先にご飯を与える
⚫︎家や部屋から出るとき、わんちゃんを先に行かせてあげる
⚫︎散歩では、わんちゃんが先導している
⚫︎わんちゃんのして欲しいことをしてあげる
⚫︎わんちゃんが嫌がることをして、嫌がったらやめてしまう
⚫︎ソファなど、位置的にも上の場所にわんちゃんの居場所がある

ひとつでも当てはまれば、わんちゃんが私たちの上、もしくは同等の立場にあるかもしれません…

わんちゃんよりも上位になる!

わんちゃんよりも上位になることが、わんちゃんに言うことをきかせるために必要であると分かってもらえたところで、どのようにしつけをしていくか、について進めていきます。簡単には、先ほどの項で挙げたことをしなければよいのですが、なかなか一筋縄ではいかないわんちゃんもいますし、もう、家での順位づけが決まってしまっている家庭もあるかもしれません。

まず、試してもらいたいのは、アイコンタクトです。落ち着いてお座りをした状態で後頭部とあごの下に手を置きます。その姿勢で目を合わせます。嫌がって暴れても手を離さないでください。可愛らしく「クーン、キャンキャン」という鳴き声も、「やめろ、放せ!」と言っていますので甘い顔をしてはいけません。もしこの時に放してしまうと、暴れたり、鳴いたりすれば嫌なことをやめてくれると学習してしまいます。これを日に何度か繰り返し、うまくできたら、たくさん褒めてあげてください。最初は目が泳いでいたわんちゃんもだんだんとできるようになりますので、根気よく続けてください。そして、言うことをきいたら目を見て褒めてあげる、大事な時はきちんとアイコンタクトを取ることでわんちゃんとの信頼関係が築けます。信頼関係を築くと同時に、前項で挙げたこともしないようにします。

新しく子犬を迎える時には

新しく子犬を迎える場合は、比較的順位づけがしやすいです。子犬は家庭に迎えられたその日から家族関係を観察し、自分がどの位置に入れるか、あわよくばリーダーになりたいと狙っています。しかし、家庭という群れの中では、わんちゃんの位置は、1番下です。まだ小さく、クンクン鳴いている子犬も、実はしたたかなんですね。もちろん、愛情はいっぱい注ぎます。しかし、わんちゃん中心にすることはタブー。特に、食事や遊びはこちらがリードしてください。遊んでいて、わんちゃんが手の上に乗る、興奮して噛んでくる、などの様子がみられたら、一度落ち着かせます。落ち着かせるには、わんちゃんの性格にもよります。大人しい性格の子は大きな声やきつい声で叱ることで動きを止めますが、勝気な性格の子では、油に火を注ぐことにもなりかねません。叱って逆上する場合には、黙ってケージに入れ、そのまま無視します。諦めて大人しくなったところで、また一から遊びに誘います。どんなわんちゃんでも、寂しがりやです。無視されるのは辛いものです。悪いことをしたら、構ってもらえないということを根気よく繰り返して学習させましょう。

まとめ

わんちゃんが私たちと暮らし始めてずいぶん長い時間が経ちました。しかし、わんちゃん達は今でも祖先から受け継いだ特徴を持ち合わせているので、その特徴を理解し、うまく利用することがトラブルなく暮らすための秘訣だと思います。
ポイントさえ抑えれば、わんちゃんが家庭内のリーダーになることはありません。間違った愛情の注ぎ方をしないようにして、わんちゃんとの生活を楽しいものにしてください。

(uw25rescueccnu)
育児をしながら臨床獣医師として勤務中、その傍でペットについて正しい知識を知ってもらいたいという思いから、執筆も手がけています。

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