わんちゃんと私たちが一緒に暮らすようになってずいぶんと長い年月が過ぎようとしています。最初は使役犬として私たちの側で暮らすようになったわんちゃんたち。今では家族として家庭に迎えられ、家族の一員として、無くてはならない存在になっているご家庭も多いのではないでしょうか。獣医学もここ数十年で格段に進歩し、予防できる病気も増えました。また、以前は治せなかった病気も治療が可能になり、長寿のわんちゃんが増えてきています。我が家のわんちゃんが高齢になった時、どうしたらよいのか悩んでおられる方も多いのではないでしょうか。
今回は、わんちゃんの老い、について考えます。

わんちゃんの寿命

わんちゃんは一体どのくらい生きられるのでしょうか。一般社団法人 ペットフード協会の調べでは、わんちゃんの平均寿命は、チワワ、トイ・プードルなどの超小型犬で15.01歳、ミニチュア・ダックスフンドやシー・ズーなどの小型犬は14.09歳、柴犬、ラブラドール・レトリバーなど中型犬・大型犬では13.73歳、全体的な平均寿命は14.36歳と超小型犬や小型犬の寿命が長く、大型犬では短い傾向にありました。また、ロンドン自然史博物館では、犬種によっても人間と対応する年齢が違うと説明しています。
では、わんちゃんの高齢って実際には何歳くらいからなんでしょうか。環境省の「飼い主のためのペットフードガイドライン」の年齢換算表を参考にすると、小型犬・中型犬では11歳くらい、大型犬では8歳くらいで人間の60歳くらいに相当します。これから考えると、わんちゃんのシニアは小型犬・中型犬で11歳、大型犬で8歳を目安にすればよいですね。

シニアのサイン

シニアの目安は、前項で述べさせてもらいましたが、実際には個体差もあります。では、わんちゃんが歳を取るとどのような変化がみられるのでしょうか?代表的な変化とその対策について、いくつかご紹介します。

被毛の変化

私たちが歳を取ると、白髪が増えるように、わんちゃんも白髪が生えてきます。黒やチョコレートなど、毛色が濃いわんちゃんの方が目立ちます。白髪は体全体に生えますが、特に顔は目の周りや口周りに増えるのでより目立ってしまいます。白髪にならない方法はありませんが、白髪が目立ってきたら、それはシニアのサインです。

歯の変化

わんちゃんの歯は、生後6〜7ヶ月で永久歯に生え変わります。歳を重ねると歯も磨耗し、歯石も溜まって汚れてきます。食生活の違いで汚れ方にも差が出ますが、高齢になるほど、歯の変化も大きくなり、歯周病で歯を失うわんちゃんも多くなります。わんちゃんは、私たちのようによく噛んでご飯を食べることはしませんが、歯を失ったり、歯に痛みがあれば食べにくいものです。小粒フードに変更したり、少し柔らかくしたり、食べやすい工夫をしてあげるとよいですね。
もし、口が臭う、歯石が溜まって歯肉が赤く腫れている、食べにくそうにしている、などの様子がみられたら、歯周病の兆候かもしれません。年齢に関係なく早めに動物病院に行き、少しでも歯を残せるようにケアをしましょう。

睡眠の変化

高齢になると、寝て静かに過ごす時間が増えます。歳を追うごとに、睡眠時間は増え、一日中といっていいほど、一日の大半を寝て過ごすようになります。
睡眠の変化に、睡眠時間の昼夜逆転というものもあります。これは、認知症の症状の一つです。私たちと同様に、わんちゃんも認知症になることがあります。認知症では、昼間に寝て、夜間に徘徊したり吠えたりするといった症状が出ることがあります。

食欲の変化

歳を取ると、代謝も落ちてきます。そのため、若い頃のように、食に執着しないようになり、嗜好の変化がみられるなど、ご飯を食べなくなることがあります。また、逆に、多食になったりもします。食欲の変化は加齢に伴う生理的な変化でもみられますが、病気のサインである可能性もあります。食欲は体調のバロメーターにもなりますので、何か変化があれば、動物病院で診てもらうと安心かもしれませんね。

動きの変化

人と同様に、高齢になるとわんちゃんにも足腰が痛い、なんてことが出てきます。散歩を嫌がる、段差を上がらないなどの素振りがみられたら、どこか痛いのかもしれません。また、動くのが面倒で、呼ばれても知らない振りをすることもあります。
段差は抱き上げてあげる、スロープをつけてあげるなど、負担がかからないようにしてあげてください。また、滑って関節を痛めないよう、フローリングにはカーペットを敷くなどの工夫も大切です。

健康を保つためにできること

歳を取ったからといって、すべてのわんちゃんにシニアの兆候が出るわけではありません。若い頃から少しずつ気をつけてあげる、そして、体調の変化にいち早く気づいてあげることが高齢期を健やかに過ごす秘訣です。そこで、愛犬の日々の健康管理にお勧めしたいのが、ウェルネスチェックです。
ウェルネスチェックは、team HOPEという、予防獣医学に取り組んでいる獣医師が、大切なわんちゃんの病気を早い段階で見つけることを目的として作成したものです。オーナーの皆様にご自身のわんちゃんのセルフチェックをしてもらい、その結果を元に動物病院でダブルチェックを行います。定期的な健康チェックを専門の動物病院と一緒に行うことで、わんちゃんの小さな変化に潜む病気の芽を早めに摘み、病気の早期発見と早期治療を目指します。健康管理のためにわんちゃんの状態をよくみてください!と言われてもなかなかピンと来ない方も多いと思います。しかし、そのような時にウェルネスチェックのチェック項目を参考にすることで、わんちゃんの様子を見る際にどこを気にかけたらよいのかが分かるようになりますし、わんちゃんの様子をいつも以上に気にかけることができるようになります。

まとめ

わんちゃんは人間の何倍も早く老います。これを機に、シニアの兆候がみられても慌てないように、一度ご家族で話し合っておくのもよいですね。そして、健やかな老後を迎えるためにも、是非、ウェルネスチェックも活用してみてください。普段は愛犬の健康に無関心なお父さんも、協力的になってくれるかもしれませんよ。

外部リンク:https://www.teamhope.jp/petowner/wellness

(uw25rescueccnu)
育児をしながら臨床獣医師として勤務中。その傍でペットについて正しい知識を知ってもらいたいという思いから、執筆も手がけています。

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