海藻は、人間にとってはヘルシーで健康的なイメージがある食物です。特に海に囲まれた日本で育った私たち日本人にとっては馴染み深いものです。そんな人間にとってはよい食材である海藻ですが、犬に身体にとってはどうなのか? 海藻の栄養素や、犬の身体に与える影響について紹介します。

海藻とは?

そもそも海藻とは、「海産の糸状または葉状,さらに進んで樹状の藻類を総称する。(ブリタニカ国際大百科事典より引用)」とされるものです。

多少語弊はありますが、要するに海の植物です。海藻の中でも、食用ともされている「昆布(コンブ)」「海苔(ノリ)」「若布(ワカメ)」「天草(テングサ)」「鹿尾菜(ヒジキ)」「水雲(モズク)」は、どれも日本の食卓にはお馴染みのものです。

海藻の栄養素

海藻には、ビタミン・ミネラルや水溶性食物繊維が豊富に含まれています。

例えば、「あおのり」の可食部100g当たりの栄養素を見てみると、次のような内訳となっています。

エネルギー:164kcal
水分:6.5g
たんぱく質:29.4g
脂質:5.2g
炭水化物:41.0g (内食物繊維:35.2g)
ナトリウム:3,200mg
カリウム:2,500mg
カルシウム:750mg
マグネシウム:1,400mg
リン:390mg
鉄:77.0mg
亜鉛:1.6mg
銅:0.58mg
マンガン:13.0mg
ヨウ素:2,700ug
セレン:7ug
クロム:39ug
モリブデン:18ug
βカロテン:20,000ug
ビタミンD:0ug
αトコフェロール:2.5mg
ビタミンK:3ug
ビタミンB1:0.92mg
ビタミンB2:1.66mg
ナイアシン:6.3mg
ビタミンB6:0.50mg
ビタミンB12:32.1ug
葉酸:270ug
パントテン酸:0.57mg
ビオチン:71.0ug
ビタミンC:62mg
食塩相当量:8.1g

日本食品標準成分表より抜粋

食物繊維とたんぱく質の割合が多く、微量栄養素としては、ナトリウム、カリウム、マグネシウムなどのミネラルと、βカロテン(ビタミンAの前駆体)やビタミンB群などのビタミンが豊富に含まれていることがわかります。

海藻に含まれる食物繊維は、本来は人間には消化できないものですが、古くから海藻を食している日本人は、腸内細菌叢に海藻の食物繊維を分解できる微生物がいる為に、その一部を栄養素として体内に取り込むことができるという特徴があります。

犬にとっての海藻の栄養素

犬にとって、海藻はほとんどが消化できず、積極的にあげる必要のある食物ではありません。
犬に海藻を与えるメリットとしては、

・食物繊維が豊富なので整腸作用が期待でき、低カロリーで満腹感を得やすくなる。
・ビタミン、ミネラルの補給になる。
・(犬が海藻を好きな場合)食欲増進やご褒美になる。

といったことがあげられます。
ただし、主食としてドッグフードを与えているのであれば、食物繊維を摂取したければ、食物繊維の含有量の多いドッグフードに切り替えたほうが、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維のバランスも優れており、カロリーコントロールも容易です。

総合栄養食のドッグフードには、犬が健康を維持するために必要十分な量のビタミン・ミネラルが含まれています。そのため、海藻を多く与えてしまうことは、栄養素の不足よりも、脂溶性ビタミンやミネラルの過剰摂取の方が懸念されます。

これらの理由から、犬に海藻を与える場合は、栄養素の摂取を目的とするのではなく、あくまでもおやつやご褒美として、ごく少量にとどめるのがよいでしょう。

犬に海藻を与えるときの注意点

犬に海藻を与える場合、加工時に食塩が添加されていたり、味付けがされていないものを選ぶようにしましょう。

水で戻したものや生のものはペースト状にしたり、乾燥したものや加熱したものは細かく刻んだり粉末状にすることで、食べやすく消化の負担も少なくなります。
そのまま与えたり、ふりかけとして利用することもできます。

海藻の味や匂いが好きではない犬に無理に海藻を与える必要は全くありません。
犬によっては、消化不良で下痢を引き起こしてしまうこともあります。また、稀にではありますが、アレルギー反応を引き起こすこともあります。犬の体質に合わない場合には、絶対に与えないようにしましょう。

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