ワンちゃんを毎日ケアしている中で、元気・食欲・排泄の他に気になることと言えば、皮膚の状態だと思います。皮膚の症状は飼い主さんでも気づくことが割と簡単で、代表的なものとして脱毛やかゆみが挙げられるでしょう。そこで、病院でよく見かける皮膚病の原因、症状、予防の3点について簡単にまとめてみたいと思います。

皮膚病の原因

皮膚病とは、皮膚に何らかの異常があることを表現していると思いますが、主な原因には次のようなものがあります。

 

原因1 感染性。(例えば、細菌類、真菌類(カビ)、寄生虫など)

原因2 食物や環境が原因で発症するアレルギー性。

原因3 その他、自己免疫性、遺伝性、皮膚の腫瘍、体内の器官の異常など。

 

皮膚病の症状

感染性の場合:発赤、発疹、脱毛、かゆみ、落屑(フケ)、膿など。

ワンちゃん全体で特によく認められるのは、細菌感染による膿皮症(のうひしょう)です。膿皮症は、黄色っぽい膿が皮膚の表面にペタペタ付着しており、非常に若い年齢でも発症します。これは、生活環境の状況と皮膚のバリア機能が低下により発症することが多いです。好発部位は、顔、脇、後肢の付け根、指の間などですが、ワンちゃんの種類によって部位が異なることもあります。ブツブツと小さな赤い発疹とその部位の膿の付着から始まりますが、次第に赤みが広がり、とてもかゆい為、ワンちゃんは舐めたり掻いたりして、脱毛や深い傷を作り、症状を悪化させてしまいます。
また、真菌(カビ)感染も認められることが多いですが、こちらも、かゆみや脱毛を伴うことが多く、二次的にワンちゃんがいじってしまった結果、細菌感染もしてしまうことがあります。たまに人間も感染して皮膚科に通うことになる方もいらっしゃいます。
外部寄生虫によるかゆみや傷も非常によく認められます。代表的なものは、ノミ、ダニ、シラミ、の3種類ですが、皮膚表面だけではなく、皮膚の中に住んでいるダニ(ニキビダニやカイセン)も忘れてはいけません。皮膚検査(皮膚の中を診るので、皮膚を引っ掻く処置をします)で検出されることは、少なくありません。ニキビダニのかゆみは酷くありませんが、カイセンはかゆみがひどく、人間も注意が必要です。

アレルギー性の場合:発赤、発疹、脱毛、落屑(フケ)、かゆみなど。

ワンちゃんの場合は、まず、一番最初に気づく症状が、常に体をかいていると言うことだと思います。ほとんどの場合、皮膚は発赤しており、病院では緊張しているはずが、診察台に乗ってもらっても、全身をかいているワンちゃんが多いです。また、かき過ぎた結果、傷ついた皮膚からの細菌感染も多く、外耳炎を併発しているワンちゃんも少なくありません。

その他の原因の場合:腫瘤(しゅりゅう、こぶ)、脱毛、色素沈着、など。

こちらに含まれている皮膚病は、どれも少し複雑です。
腫瘍性のものは、皮膚の表面に腫瘤(こぶのようなもの)を見つけることで、検査に訪れて診断することになります。その内容も、単に脂肪のかたまりである場合や、なめ過ぎて皮膚が分厚くなってしまっているだけの場合、悪性の腫瘍の場合など、見たり、触ったりだけではわかりません。また、遺伝性の皮膚病は、犬種によって見当をつけやすい場合もあり、代表的なものは、ポメラニアンの脱毛などです。
臨床的に高齢のワンちゃんで脱毛や色素沈着を認める場合は、元気を司る器官である甲状腺の問題などを疑いますが、その他にも、ホルモン異常により脱毛する病気がありますから、一つ一つ、検査を進めていかなければなりません。

皮膚病の予防

予防1:感染を防ぐためには清潔を保つ。

ブラッシングだけでも、十分なほこりを落とすことができますが、月に1回から数回のシャンプーが必要な場合があります。季節により皮膚の状態が変わることや、ワンちゃんの皮膚の性質も考慮しながら、シャンプーのタイミングを考えなければなりません。目安は、ペタペタや汚れが目立つ、臭い、と言った点ですが、その症状を出す原因によっては薬用シャンプーを必要としたりすることもあります。
シャンプーは、必ず、全身をワンちゃんの体温と同じ38度程度のお湯でよく濡らし、手に取ったり、洗面器に入れたシャンプーを満遍なく全体に塗布してから、最低数分はマッサージしてあげましょう。マッサージは、皮膚を見たり触ったりするので、皮膚に異常がないか確認もできます。そして、シャンプーをよく流してあげてから、皮膚の状態によっては保湿を保つコンディショナーを使うことをお勧めします。
乾燥は、まずタオルドライをしっかり行い、更にもう一度タオルで被毛を拭きながらドライヤーを遠くからあてる(火傷しないように)、パッドの間の乾燥もしっかり確認をする、と言ったことを注意して下さい。そして、”やりすぎシャンプー”は、百害あって一利なしですから、回数に関して不安な場合は獣医師と相談をしながら行うことが重要です。

予防2:定期的な予防薬と健康診断。

予防薬をもらいに行く際に、獣医師の目で確認をしてもらうことは当然有効な予防ですが、更には血液検査によって体の中がどうであるか知ることは、皮膚の状態チェックと深い関係があります。年齢によってなりやすい体の器官の病気で、皮膚症状を出すものもありますから、それを早めに確認することができるのです。

予防3:フード管理。

食物アレルギーのワンちゃんにとっては大事なテーマですが、健康な皮膚を維持するためには、バランスの良い食餌で抵抗力をしっかりとつけていくことが大切です。人間のフードは絶対に与えてはいけないと言うことと、オヤツの与え過ぎに注意をしてください。これは、人間と同様に肥満にもつながる危険があります。肥満してしまうと、皮膚のたるみができて、擦れたりすることもあるので、体重管理も忘れずに行うようにしましょう。

 

rihomeopath

筆者紹介 東京出身、獣医師、医学博士、人と動物のホメオパス、馬と牛の多いノルマンディーで、フランス人夫と田舎暮らしを始めたばかりです。

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