スリムな体型とエレガントな風貌を持つサルーキ。すらっとした長い足や細い腰がとてもかっこいい犬種です。

現代の人気犬種はほとんど小型犬なので、あまり見かける機会は多くないかもしれませんが、数多くある犬種の中で最古の犬と考えられています。

今回はそんなサルーキについて詳しくご紹介していきたいと思います。

執筆名:坂井愛
自己紹介:小さい頃から動物が好きで、ペットの専門学校を卒業した後、動物関係の仕事に就いています。愛玩動物飼養管理士と動物看護師の資格を活かし、皆さんのお役に立つ情報をご紹介できればと思っています。

サルーキってどんな犬?


サルーキはイランが原産国の犬で、紀元前7000年前から存在していたとされています。その証拠に、紀元前6000~7000年前のものとされる発掘物の中に、サルーキを思わせる絵が描かれているそうです。

サルーキは遊牧民のベドウィン部族が、ノウサギやダチョウ、オオカミ、ガゼルなどの狩りに使っていました。レイヨウ(偶蹄類の中で俊足なウシ科の動物)の中でも特に足の速いガゼルを追い越すほどのスピードを出せるというから驚きですね。

肋骨が浮き出ているので「痩せすぎなのでは?」と思ってしまいますが、走るために適した体つきをしているため、元からスマートな体型をしています。
また、長い耳と豊かな毛をもつ尻尾も特徴的です。

体長は56~71cm、体重は20~30kgですが、メスはオスよりも小さく体重もかなり軽めです。

サルーキの性格

サルーキは物静かで落ち着きがあります。飼い主や家族には愛情深く接し、甘えん坊になることも。しかし甘えるといっても、構ってもらおうと飼い主に付きまとうというような姿はあまり見せません。感情は表に出さず、控えめに周りを見つめていることが多いです。

気を許した相手には友好的ですが、知らない人には警戒心を見せ、用心深くなる一面もあるようです。
感受性が高く繊細な性格をしているため、あまりきつく叱るのは良くないといわれています。

サルーキの毛質、毛色

サルーキの毛は絹のようになめらかで、耳としっぽ、四肢に長い飾り毛のあるロングタイプと、飾り毛のないスムースタイプの2種類がいます。

飾り毛は毛玉にならないようコームでとかしてあげる必要がありますが、体は短毛なのでお手入れは比較的簡単です。

毛色は白がかかったクリーム、レッド・ゴールデン、ブラック&タン、フォーン、トライカラーなど豊富にあり、ブリンドル以外の毛色はすべて認められています。

サルーキの魅力


獲物を狙うハンターとして活躍してきたサルーキですが、現在ではペットとして飼われることも多くなりました。とはいえ、他の犬種と比べるとまだまだマイナーで、珍しいと感じる人も多いのではないでしょうか。

最古の犬サルーキにはどんな魅力があるのか、まとめてみました。

神様に許された犬

イスラムの原理主義者にとって犬は不浄のものとされ、触ることすら許されていませんでした。そんな中、サルーキだけは「神様から贈られた高貴な生き物」として扱われ、信者たちと共に生活することを許されていたのです。

サルーキは狩猟本能に優れた犬ですので、獲物を狩って生活していた人間にとっては、よき相棒だったのかもしれません。

古代の発掘物にサルーキとされる犬の絵が多く描かれていることから考えても、とても重宝されていた犬ということがわかります。

時速55kmのスプリンター

サルーキは速い時で時速55kmのスピードを出すことができると言われています。俊足のガゼルを追い越せるとなれば、相当な速さですよね。

無駄のない引き締まった体と、バランスを取ることに適した長いしっぽ、長い足はまさに走るために生まれた体型といっても過言ではありません。

現代でも原産国の人々はサルーキを狩猟に使っており、アラブではサルーキとの狩猟をスポーツとして捉えています。

サルーキを愛する人たちは、この見事な走りに魅了されているのでしょう。

昔から変わらないオリジナルスタイル

多くの狩猟犬は原産国から先進国へ持ち込まれ、さまざまに改良されてきました。しかしサルーキは他の血統との交配を禁止されていたこともあり、今でもオリジナルの姿を保っているとされています。

今と全く変わらない姿で7000年前にも存在していたのだと思うと、生きた化石のようにも思えてきますね。

サルーキの価格


サルーキの価格はだいたい10~20万が相場になっています。月齢によってはもっと低価格で入手することも可能のようです。

サルーキはペットショップで見かけることはほとんどありませんので、ブリーダーからの入手が確実です。

サルーキがかかりやすい病気


サルーキは同血統での交配を続けてきた犬種なので、遺伝的疾患は少ないとされています。

しかし性格上ストレスを受けやすい面があり、飼い主が長い間留守にしていたり、屋外飼育をしていたりすると、体調不良を起こしてしまうこともあります。繊細なサルーキだからこそ、注意しなければならない点があることを知っておきましょう。

心因性疾患

サルーキはとてもナイーブな性格をしています。そのため環境の変化やフードが変わるなどの飼育上の変化、知らない人が多く訪れるような場所に置かれること…など、普段と違う状況が続くと、大きなストレスを受けます。

ストレスが原因となって食欲不振や下痢、嘔吐など消化器系の症状が出てしまうことがあります。

サルーキは1度心を許した相手を大切にし、いつも一緒にいたいと思っています。そのため犬の世話にあまり時間をかけられなかったり、長い時間家を空けるような生活を送る人には不向きな犬種といえます。

骨折

サルーキは細い骨をしているので、骨折がしやすい犬種です。特に発育途中の子犬や高齢犬は、足に負担がかからないようにしなければなりません。
室内で飼う場合には、足が滑らないようマットを敷くなどの工夫も必要になるでしょう。

皮膚病

皮膚病はさまざまなものがありますが、精神的なストレスで皮膚病になることがあります。
他にもアレルギー性やアトピー性の皮膚のトラブルを起こす可能性もあるので、皮膚を痒がっていないか、赤い湿疹はないかなど、日頃から皮膚の状態をチェックしましょう。
また、固い寝床に寝ていると床ずれを起こして皮膚が肥厚し、タコができてしまうため、ブランケットなどを用意してあげてください。

耳の病気

サルーキは垂れ耳で、豊富な毛に包まれています。そのため通気性が悪く、耳垢が溜まりやすくなり、外耳炎や中耳炎といった耳の病気の原因になります。
こうした病気を予防するためには、定期的に耳掃除をすることが大切です。

サルーキを飼う上での注意点


サルーキは飼いやすい犬とは言えません。大型犬なので飼育には大きなスペースが必要になるでしょう。かといって室外飼育を選べば、サルーキのストレスになってしまう恐れもあります。
その他にも注意すべき点がありますので、以下を参考にしてください。

十分な運動が必要

サルーキは狩猟犬ですのでスタミナがあります。十分な運動量を必要としますので、1日1時間の運動を朝夕行うのが理想です。
足が速いため、一緒にジョギングするのは難しいでしょう。自転車での引き運動も危険ですので、リードを使った引き運動を心がけてください。

室外飼育をしている場合、運動不足に陥ると庭から逃げ出してしまうこともあります。
たまにドッグランなどの広々した場所で、思い切り走らせてストレスを解消させてあげましょう。

散歩時は目を離さないように注意

サルーキを外出させる時には注意が必要です。小動物などを見かけると、狩猟本能がうずいて追いかけてしまうことがあるからです。
1度スイッチが入ってしまうと、飼い主が呼び戻そうとしてもなかなか耳に入らないほど夢中になることもあるので、散歩時には必ずリードを装着してください。

まとめ

サルーキは見た目が美しく、歩いているだけで多くの人の目を引く犬種です。活発で疾走感あふれる姿に惹かれる人も少なくありません。
しかし飼育には、十分な心のケアや膨大な運動量が必要になります。元々は優れた狩猟犬であるということを念頭に置き、外出する際はすべての行動に注視していなければならないでしょう。
サルーキを飼いたいと考えている方はこれらの問題を考慮して、本当に飼えるかどうか今一度考えてみてくださいね。

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