イギリスはペット大国として非常に知名度が高く、World Animal Protectionのランキングでも堂々の Aを貰っており、その中身を覗いてみると、意外なことがわかります。

常々、日本でも幼稚園や小学校において、動物愛護理念を幼少の頃から根付かせるような授業といったものが欠如している事が指摘されていますが、ペットや動物に優しい国と評価されているイギリスでさえも、この点に関してはFという評価をつけられています。

日本における評価は、幼少時の学校教育の中に文化的にモラルを重んじる、物を大事にする、動物や植物の扱いにも気をつける、といった教育が根付いている分を考慮して、イギリスよりも高い評価の Eを貰っています。

また、後に挙げる動物愛護団体の数字を引用(https://www.rspca.org.uk/home)すると、驚くべき数字を目にします。

129,602

これは、昨年、愛護団体が救った動物の頭数だそうですが、これだけの数の動物が何らかの理由で保護の対象になっている事を意味しており、残念ながら”何処も虐待の状況は同じ”であることは認めざるを得ません。

しかしながら、イギリスにおける動物愛護への姿勢は総合評価では、非常に良いと判断されているわけですから、発展途上である日本も見習うべきものがあることは言うまでもありません。そして、これだけ多くの見捨てられてしまった動物達に、適切なケアをする財源が確保されている点は注目すべきでしょう。

 

rihomeopath

筆者紹介 東京出身、獣医師、医学博士、ニューヨークで人と動物のホメオパシーを4年間学び、日本では小動物臨床を10年ほど経験。馬と牛の多いノルマンディーで、フランス人夫と田舎暮らし中。

 

イギリスにおける動物愛護団体の収益構造

イギリスにおける動物愛護団体がその活動を維持して行く上で、何よりも必要とされるのは施設と人材となりますが、それらの原動力となる資金について考えてみたいと思います。

イギリスで最も大きな組織は、英国王立動物虐待防止協会 The Royal Society for the Prevention of Cruelty to Animals (RSPCA) であり、その目的は当然、動物虐待を終結させようというものです。

この団体の活動費用は全て寄付で賄われており、政府からの援助などは全く受けていません。

しかし、街頭での寄付が簡単に集まると言う訳でもありません。この団体の財源確保手段の1つを見てみると、インターネットの効力が非常に大きいことがわかります。

彼らは、Amazonや eBayなどの国際的に有名なオンラインショップと連携して、購入した費用の一部を寄付に回すシステムを実現しています。

これによって、指定されたサイトでオンラインショッピングをして、購入者は提示された金額を支払いますが、自動的にその一部は寄付されたことになります。また、こう言った寄付を含めた収益構造の内訳は、以下のようにまとめられます。

 

2016年の収益構造

①遺産収入*(54.8%)  (*遺産の寄付)
②寄付収入(29.8%)
③チャリティ収入(7.7%)
④その他の収入 (6.8%)
⑤投資収入(0.9%)

 

他の団体で、国立動物福祉トラスト National Animal Welfare Trust という組織があります。

こちらも当然のことながら寄付で成り立っている団体ですが、ほぼ同様の収益確保を行っています。

また、直接の現金収入には繋がりませんが、非常にユニークな寄付方法が紹介されています。

”治療に協力する”という形の寄付ですが、この組織の専属病院の持つ Amazonアカウントにアクセスし、その病院のwish listを覗いて商品を選んで購入すると、その商品が病院に届くというシステムです。

その他、青十字 Blue Crossでも、直接の寄付やオンラインショップを設置して収益を上げています。そして、どの団体もスポンサー制度が採用されているので、スポンサーになることで保護された動物の管理、飼育、治療、といった費用の一部を負担することも可能です。

イギリスにおける動物愛護団体への貢献

動物愛護団体と言えば、ボランティアや寄付による貢献ができることが想像ができますが、寄付の中でも、特に自分が亡くなった後に家族が誰もいない、家族には残さずに寄付をする、と言う方は日本だけではなくイギリスでも多いようです。また、チャリティを自ら計画して募金活動を行うことも頻繁に行われており、個人の範囲でも積極的に動物愛護運動が可能と言えるでしょう。

しかしながら、動物愛護団体の力を借りずに動物が健康で平和に暮らせる環境を完成させる為には、幼少期からの教育システムの確立を中心に、かなりの努力が必要であることは否定できません。

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