犬と人間では、食性が大きく異なります。
例えば、犬も人間も雑食性ではありますが、犬は人間よりもかなり肉食寄りの動物なので、食事には肉由来のものを多く必要としているということに根本的な違いがあります。

また、犬と人間は、特定の成分が体内に取り入れられたとき、全く異なった反応を示すこともあります。

こういった要因から、人間の食べ物を安易に犬にあげてしまうこと危険なことがあります。人間の食べ物のどういった部分が犬にとって危険なのか、具体例をあげながら紹介します。

yukiya.hiプロフィール:
動物好きが高じてペットフード販売業を営む。大切な家族の一員として、体に良いペットフードをあげたいけれど、どうやって選べばよいのかわからないという飼い主さんに、カウンセリングを通して最適なフード選びを提案しています。

必要な栄養バランスの違い(栄養失調・栄養過多)

犬と人間とでは、健康を維持するために必要な栄養素の割合や、体内で合成できない必須の栄養素の種類が異なっています。

もっとも基本的な、炭水化物、タンパク質、脂質という三大栄養素について考えてみましょう。犬は、人間よりも多くの割合のタンパク質と脂質を必要としている一方で、炭水化物の必要量は少なくなっています。

さらに、タンパク質に焦点を当ててみると、必須アミノ酸(体内で合成できず、食事から摂取しなければならないアミノ酸)は、人間の場合9種類ですが、犬の場合はさらに1種類(アルギニン)を追加した10種類となっています。

身体的な健康や、良好な皮膚・被毛の状態を保つためには、良質なタンパク質をたくさん取らなければなりません。
人間の食べ物ばかりを与えてしまいますと、犬にとって必要な栄養素が不足してしまいます。

また、肉食だから食肉ばかりをあげればいいかといえば、そういうわけでもありません。
野生の状態では、ハンティングした獲物の肉部分だけでなく、骨や内臓といった部分まで食べることで、必要な栄養素を補っています。

人間用に加工された食肉の部分だけをメインとして与え続けていると、骨や内臓にしか含まれていない栄養素が不足してしまいます。
例えば、犬は人間より多くの割合のカルシウムを必要としていますが、人間の食べ物では必要量を補うことができません。

一方で、人間にとっては必須でも、犬にとってはあまり必要ない成分もあります。
例えば、人間はビタミンCを体内で合成することができませんので、食物からの摂取が必須です。しかし、犬はビタミンCを体内で合成することができるため、必要な量は少なくなります。

このように、犬と人間とでは必要な栄養素とその割合が大きく異なりますので、人間の栄養に対する一方的なイメージや常識を犬に押し付けてしまうと、犬にとっては栄養失調や栄養過多に繋がってしまうわけです。
これが、犬に人間の食べ物を安易に与えてしまうと危険な根本的な理由です。

毒物

人間にとっては問題なくても、犬にとっては毒性があり、食べると中毒を引き起こしてしまう成分も多々あります。

人間の食品(食材)のうち、次のものは犬にとって強い毒性があり、特に注意が必要です。

・ネギ類(長ネギ、ニラ、ニンニク、タマネギ、ラッキョウなど)
・カカオ(チョコレート、ココアなど)
・ぶどう類(ブドウ、マスカット、レーズンなど)
・キシリトール(キシリトールガムなど)

カカオやぶどう類、キシリトールなどは食品に使われているか否かが比較的明確ですが、ネギ類については、カレーやハンバーグ、肉じゃがなどうっかりしていると見落としがちな食品にも使われています。

その他にも、毒性は低くても、犬が食べると中毒症状やアレルギー症状を引き起こす成分がたくさんあります。

人間の食べ物には、はっきりと見える食材だけでなく、隠れた食材や、多くの調味料が使われています。一見しただけでは思いがけないようなものが使われていることもありますので、犬に人間の食べ物を与えると、意図せずして犬にとっては毒物を与えてしまうリスクがあります。

塩分過多

人間の食べ物は、味付けが濃く、特に塩分が多く含まれています。
健康な犬であれば、過剰な塩分は尿中に排出することで代謝できるので問題ありません。しかし、腎臓や心臓に疾患がある犬の場合は、人間の食べ物を与えてしまうと、塩分過多が悪影響を及ぼします。

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