犬が私たちと暮らすようになって長い時間が過ぎました。私たち人間は犬を訓練し狩猟犬、番犬、牧羊犬として活躍させてきましたが、近年では、警察犬、救助犬、盲導犬、聴導犬、介助犬、麻薬探査犬など私たちの能力を超えた力を発揮して活躍している犬も増えていますよね。このように活躍できるのも、犬が積極的に私たち人間と関係を築こうとしてしているからであると言われています。

犬は飼い主の必要としていることを理解して、助けて喜ばせたいと思っています。また、飼い主と揺るぎない信頼関係を築くこともできるんです。私たちとわんちゃんたちは良きパートナーとしてお互いに助け合って生きています。この良い例が盲導犬であるといえます。

今回は盲導犬についてです。盲導犬のお仕事や一生、そして盲導犬と視覚障害者に出会った時に私たちが助けてあげられることなどをお話ししていきたいと思います。

(uw25rescueccnu)
育児をしながら臨床獣医師として勤務中、その傍でペットについて正しい知識を持ってもらいたいという思いから、執筆も手がけています。

盲導犬の一生

盲導犬がどのような一生を送るのかご存知ですか?ご存知ない方もみえると思いますので、まずは盲導犬がどのように誕生し、どのように過ごすのか、から始めますね。

日本では、盲導犬の候補生たちは、健康で優秀な盲導犬に向いている両親から生まれます。生後2ヶ月の間は母親の愛情をたくさん受け、兄弟たちと共に犬の社会性を学びながら過ごします。誕生から生後を過ごす施設の一つに「盲導犬の郷 富士ハーネス」という施設があるそうです。

生後3ヶ月から1歳までは、パピーウォーカーといって、ボランティアの家庭で人間の愛情をたっぷりと注がれながら過ごします。パピーウォーカーと暮らして、様々な天候や人混みなどの環境、人の社会で様々な経験をすることで私たちとの生活を楽しさや喜びを知ります。人間との信頼関係は幼い頃に築かれますので、パピーウォーカーと過ごす時間は信頼関係を築くのにとても大切な時間だといえますね。

1歳を過ぎ、施設に戻ると、本格的に盲導犬の訓練が始まります。と言っても、スパルタでビシビシするのではなく、毎日繰り返し、楽しみながら盲導犬として必要なサインや目の不自由な人を街中で誘導するためのノウハウを学んでいきます。

訓練を終えると、三回の試験を受け見事通過した犬が、実際のユーザーとマッチングを行ない、共同で訓練をします。訓練を終えると晴れて盲導犬としてデビューです。いよいよ目の不自由な方との生活が始まります。
10歳前後で盲導犬としては引退です。10歳と言っても、大型犬の10歳は人でいうともうシニアの世代。老後はボランティアのお宅で過ごしたり、富士ハーネスで仲間と共にゆっくりとした時間を過ごします。

盲導犬のお仕事

盲導犬のお仕事は、目の不自由な方の目の代わりになることで、主に外出時の歩行のお手伝いをします。外出時、外は段差や自動車など目の不自由な方には危険がいっぱいです。そういった危険を事前に盲導犬が教えてあげるのです。

⚫︎角を教える
⚫︎段差を教える
⚫︎障害物を教える

この三つの動作が基本になり、これらを組み合わせて盲導犬の歩行は成り立っているそうです。盲導犬はタクシーやカーナビのように目的地を伝えれば連れて行ってくれるわけではないので、目的地までの地図を頭に描きながら、道順の指示を出してあげる必要があるんです。

歩行をする際には、相手が何を必要としているかを予測し、足元だけでなく頭上の危険も避けなければなりません。また、人が意識するよりも早く人の身振りから状況を読み取ることも必要になります。 訓練されたことだけでなく、状況判断も求められるのですね。交通事故から目の不自由なユーザーを守り、自分の脚を失った盲導犬もいます。パートナーとしての信頼関係が強く人間を助けたいと思う犬の気持ちが盲導犬のはたらき以上の役割を果たしたんでしょうね。

盲導犬に向く犬

日本での最初に盲導犬はドイツから輸入されたジャーマン・シェパードだそうです。このため、昔はジャーマン・シェパードが多かったのですが、とても精悍な顔立ちをしているので、犬が苦手な人に受け入れられ難いという事がありました。そのため、今では、ラブラドール・レトリーバーが1番多く活躍しています。このほか、ゴールデン・レトリーバーなどレトリーバー種が活躍しています。

盲導犬には性格が温厚で、人と過ごして共同で作業できる犬が向いています。また、盲導犬として働くようになれば、いろいろな人や犬や猫などに出会ったりもしますし、いろいろな音、匂いなどのする環境に置かれることもあります。そのため、攻撃性のない犬であることが大切で、同時に環境の変化に動じない順応性の高いことも重要な要素です。

ある研究によれば、盲導犬になる犬では、右利きでつむじが反時計回りであることが多い、というデータがあるそうです。犬の利き足は、歩き出す時に一歩目に出す脚です。右利きでつむじが反時計回りの犬では、機転が利き、冷静で自信に満ちている犬になる可能性があると言えます。愛犬の利き足はどちらですか…?一度観察してみてください!

盲導犬に出会ったら

日本盲導犬協会では、盲導犬に出会った時に決して行わないで欲しいことをホームページでも紹介し、お願いをしています。抜粋でご紹介しますね。

⚫︎盲導犬に出会っても口笛を吹いたり、前からじっと見つめたり、声をかけたりしない
⚫︎食べ物を見せたり与えたりしない
⚫︎盲導犬を撫でたり、ハーネスを触ったりしない
⚫︎自分のペットに挨拶をさせようとして近づけない

外出先での盲導犬は目の不自由な方を誘導するという大切なお仕事中なんですね。じっと見守ってあげましょう。しかし、もし目の不自由な方が困っている様子でしたら、盲導犬ではなく、一緒にいる人に声をかけてあげてくださいね。

さいごに

犬って本当に素晴らしいパートナーだと思いませんか?盲導犬はそんなに身近な存在ではないとは思いますが、少し理解し、どんな犬なのかお分りいただけたのではないかと思います。もし、街で盲導犬を見かけたら、触れ合いたい気持ちをぐっと抑えて、その仕事ぶりをそっと見てあげるようにしてくださいね。

 

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