純白の被毛が美しい日本スピッツ。かつて日本では爆発的なブームを巻き起こしました。当時と比べると飼育頭数は減少しましたが、今も根強いファンが多い犬種です。
そこで今回は日本スピッツについてご紹介します。

日本スピッツはサモエドから生まれた?
日本スピッツは無駄吠えが多い?

などなど、日本スピッツの情報をまとめていますので、ぜひ読んでみてください。

筆者紹介:坂井愛
小さい頃から動物を飼育し、現在も動物関係の仕事に携わっています。また学生時代に培った動物の飼育、看護、福祉などの知識を活かした記事を書いていきたいと思っています。

日本スピッツってどんな犬?


日本スピッツはその名の通り、日本が原産の犬種で1900年代に誕生しました。
日本スピッツの歴史には諸説あり、1つは1920年代にシベリア経由で日本に渡ってきたジャーマンスピッツがルーツになったといわれています。
また、ロシア原産のサモエドを小型化したという説もあります。確かに日本スピッツとサモエドはよく似ていますね。

体高は30~36cm、体重は3~5kgで、オスはメスよりも小さめです。
1950年代は日本スピッツの全盛期で、年間登録数は約5000頭とかなりの人気を誇っていました。
しかし時代と共に外国産の犬種が日本に入ってくるようになると、日本スピッツの人気は徐々に廃れ、今は日本よりも海外での人気が高くなっています。

日本スピッツの性格

日本スピッツは陽気で遊び好きです。白い被毛を風になびかせながら走り回る姿は、とても生き生きしています。海外ではドッグアジリティで活躍する子も多く、物覚えの良さや俊敏な動きを見せることから、高く評価されています。

日本スピッツの毛質、毛色

日本スピッツの被毛はダブルコートで、上毛は真っ直ぐ生えており、下毛は柔らかく毛が密集しています。首や胸元、尻尾の飾り気が非常に豊かで、特徴的です。

豊富な被毛を持っているので、毎日のブラッシングが必要になります。

毛色は純白の1種類のみ。真っ白な毛と真っ黒な目鼻が可愛らしさを引き立てています。

日本スピッツの魅力


かつて日本を一世風靡した日本スピッツ。時代と共に人気犬種は移り変わっていくものですが、日本スピッツはなぜ人気を得られたのでしょうか。
その魅力についてまとめてみました。

エレガントな容姿と愛情深い性格の持ち主

日本スピッツの魅力は何と言っても、純白の被毛と豊かな飾り毛です。ダブルコートなので被毛のお手入れは必要になりますが、スキンシップの一環としてブラッシングを日課にしてしまえば苦労だと感じることは少ないでしょう。

また、被毛が白一色だからこそ生える表情も、日本スピッツのチャームポイントです。黒く縁どられた口元が上がるだけで笑っているように見え、いつでも心を和ませてくれます。

日本スピッツは番犬向き?

日本スピッツが人気を博していた時代は、犬に求める要素として「番犬」がありました。そのため警戒心が強く、良く吠える犬ほど番犬に向いているとされ、日本スピッツに注目が集まったようです。

また、当時の飼い犬は外飼いが主流だったため、縄張り意識や見張り行動が強まり、吠え癖がつく傾向にあったといえます。さらに犬の飼育方法もあいまいなことが多かったため、吠え癖に拍車がかかり、「日本スピッツは吠える犬」としてイメージが定着してしまいました。

しかし昨今では、本来備わっていた温厚な犬種に改良され、昔と比べると大人しく人懐っこい犬種に変化しています。

運動と遊びが大好き

日本スピッツは運動や遊び、散歩など体を動かすことが得意で、大好きです。暑い日は時間帯を選ぶ必要がありますが、1回30分以上の運動を朝晩行うことが理想とされています。

キレイな被毛が汚れちゃうから…と、室内に閉じ込めていてはストレスが溜まってしまい、問題行動を引き起こしかねません。

体を動かすことが好きな人であれば、日本スピッツは一緒にスポーツを楽しめる相棒になってくれますよ。

日本スピッツの価格


日本スピッツの価格はだいたい15~20万円が相場となっています。今の人気犬種をメインで取り扱うことの多いペットショップでは、日本スピッツと出会える機会が少ないのが現状です。専門のブリーダーを探す方が、理想の子犬を入手しやすいと思います。

子犬を選ぶポイントは、元気のある健康的な子であるかどうかが1番です。
涙や目やにが出ていないか、毛ヅヤがあるか、歩行におかしな点がないか等をチェックしてみてください。

日本スピッツがかかりやすい病気


人間と同じように犬も病気になります。見た目では健康そうであっても、犬はあまり弱った姿を見せようとしないため、隠れている病気に気づかないことがあります。
そうはいっても、犬の健康管理は飼い主の務めです。毎日世話をしている間で、ちょっとでも「変だな?」と気づけるかどうかが大切です。

皮膚疾患

日本スピッツは被毛が密集しているため、皮膚のトラブルにかかりやすい状態にあります。
アレルギー性皮膚炎や、毛包虫症などさまざまな病気にかかる可能性があるため、日頃から皮膚の状態を確認する必要があります。
また、こまめなブラッシングやシャンプーを行うことで、被毛や皮膚を清潔に保つことができ、病気の予防にもなります。
皮膚に脱毛や痒み、発赤などの異常を見つけた場合は、動物病院で診察を受けてください。

関連:日頃のケアが大切!犬の皮膚病の原因と症状、予防について

膝蓋骨脱臼

日本スピッツは細い足を持ちながら運動量が多いため、骨や関節の病気になることがあります。犬の骨トラブルで多い膝蓋骨脱臼は、後ろ足の膝部分が正常な位置から外れてしまう状態をさします。症状は日常生活に支障のない程度から歩行困難まで、幅広いのが特徴です。
ドッグアジリティでも活躍する犬種ではありますが、常に犬の状態を確かめながら適切な運動を行いましょう。

関連:肢を挙げる癖のある小型犬は特に注意!犬の膝蓋骨脱臼(パテラ)について解説

流涙症

涙が大量に溢れだしてしまう状態を、流涙症といいます。これは本来涙が流れるはずの鼻涙管が塞がり、涙が全部目から流れ出てしまう状態です。
流れ出した涙は涙やけといって、目の周りを茶色く変色させてしまいます。毛色が真っ白な日本スピッツで涙やけを起こすとかなり目立ちますし、1度変色してしまった毛を元に戻すのは困難です。
流涙症の治療は動物病院で行いますが、目の周りのお手入れをすれば涙やけを軽減させることができます。
涙が多いなと感じたら、目元を柔らかいガーゼなどで優しく拭き取ってあげましょう。

関連:犬の涙 〜悲しいんじゃないんです〜流涙症について解説!

日本スピッツを飼う上での注意点


日本で大人気だった頃はほとんど外飼いをされていた日本スピッツ。室内飼いが一般的になった今では、環境さえ整えていれば大きな問題はありません。
ここでは日本スピッツを飼う上での注意点をまとめましたので、参考にしてみてください。

被毛のお手入れは丁寧に

日本スピッツは皮膚疾患が多い犬種なので、毎日ブラッシングをしてあげましょう。ピンブラシでとかした後、コームを使って整えます。特にわき腹やお尻の毛は絡まりやすいので丁寧に行ってください。
また、月に1回のシャンプーもおすすめします。シャンプー時に注意することは、シャンプー剤をしっかり洗い流し、被毛をよく乾かすことです。これらを怠る皮膚のトラブルを招く可能性があります。
シャンプーの方法がわからないという方は、動物病院やペットサロンのトリマーに聞いてみましょう。

寒さは強いが、暑さに弱い

ダブルコートを持つ日本スピッツは寒さに強く、冬場の散歩も問題なく行えます。逆に夏場は大変です。健康やストレス解消のために毎日の散歩は欠かせませんが、日照りの強い時間帯は避け、明け方や夕方など涼しい時間に外出させましょう。
ペットサロンでサマーカットにしてもらえば、比較的涼しく過ごすことができますよ。

無駄吠えに注意

温厚な性格に改良されてきたとはいえ、警戒心が強く知らない人や物音に対して吠えることがあります。
こうした無駄吠えは日本スピッツに限らず、他の犬種でも問題視されていますが、その多くは犬の社会化不足が原因です。
子犬の頃から多くの人に触れさせ、いろいろな場所に連れていき、いろいろな物音を聞かせるなど、人間の社会やマナーを覚えさせていくことが重要になります。

まとめ

日本スピッツは元々温和な性格の持ち主でした。しかし適正飼育がなされないまま、外飼いを強いられてきたことから、無駄吠えの多い犬に位置付けられてしまいました。
好奇心旺盛で人懐こい日本スピッツが多くいるように、犬は飼育する環境やしつけによって大きく変わります。
日本スピッツを飼う場合は、この犬種がもつ本来の魅力を引き出してあげてくださいね。

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