rihomeopath

筆者紹介 東京出身、獣医師、医学博士、ニューヨークで人と動物のホメオパシーを4年間学び、日本では小動物臨床を10年ほど経験。馬と牛の多いノルマンディーで、フランス人夫と田舎暮らし中。

離断性骨軟骨症とは

この病気は痛みを伴う関節軟骨の病気で、肩や肘、膝、といった部位の関節が問題になり、びっこを引いたります。明確な原因は不明でありますが、遺伝的な要因がまず一つ挙げられています。それ以外には、

①過度の関節を使う運動を続けた。
②関節軟骨に血液の供給が不十分な状態が続いた。
③成長期に過剰なカルシウムの供給を行った。
④急激な成長があった。
⑤体重増加があった。
⑥メスよりもオスが多いことからホルモンが関係している可能性。

などがあり、様々なことが考えられています。しかしながら、これが完璧に予防できる最善策は未だに不明です。
軟骨内骨化とは正常の骨の成長過程であり、胎児期から徐々に軟骨が骨に変わって行くことを意味します。一方、この病気は正常な骨化が行われずに、関節で痛みを発症することになります。この原因の一つが、軟骨への血液供給不十分であると考えられています。軟骨の骨化は止まってしまっても、軟骨の成長は止まらないので、結果的に分厚くなった軟骨は物理的にストレスをかけられると骨と分離してしまいます。分離した骨片や軟骨片が関節内に関節鼠(かんせつそ、動き回ることが由来)と呼ばれる”断片”を形成して、関節内を動くことがあります。これが痛みとなってワンちゃんは歩き方がぎこちなくなります。
問題になる部位は肩関節が多く、殆どが子犬であり、生後4ヶ月から8ヶ月の間で発症すると言われています。しかし、中には高齢犬でも見られることがあります。また、メスよりオスの方が5倍近く発症しやすいことがわかっています。

離断性骨軟骨症になりやすい犬種

以下に示すような大型犬や超大型犬がなりやすいと言われていますが、中型犬や小型犬でも全く発症がないわけではありません。

・グレート・デン
・ロットワイラー
・ジャーマン・シェパード
・セント・バーナード
・バーニーズ・マウンテン・ドッグ
・ゴールデン・レトリバー
・ラブラドール・レトリバー
・ニューファンドランド

など。
しかし、以下の大型犬はあまり問題がない犬種として知られています。

・ドーベルマン・ピンシャー
・コリー
・シベリアン・ハスキー

離断性骨軟骨症の症状

痛みは問題になっている部分の関節に炎症が起こることが原因です。また、小さな関節鼠が動き回ることや、それによって関節液が溜まり、石灰化が起こります。関節は炎症による腫れが起こり、神経を刺激して行きます。飼い主さんが気づく症状としては、

・びっこを引く。
・突然びっこになる場合と、徐々になる場合がある。
・片方だけの場合もあるが、両方の場合も全くないわけではない。
・問題の足に体重をかけない。
・関節の腫れ。
・患肢(問題のある肢)の筋肉が減少する。
・腫れた患肢を伸ばそうとすると、痛みが出る。

離断性骨軟骨症の治療

保存療法(内科的な治療)と外科療法の2種類があります。

・内科療法:これは症状があまり酷くない場合で、特に子犬に対して行われます。症状が軽度であっても、最低6週間程度の絶対安静を行います。無理に歩かせることを絶対に行ってはいけません。殆どの場合、消炎鎮痛剤を投与されるので、すぐに歩くことができるようになる為、ワンちゃんは動きたがりますが、我慢してもらいましょう。この際にはトイレも自力で歩かせずに、必ず飼い主さんが連れて行ってあげることになります。じっとしているだけでも、徐々に痛みは減少していくので、飼い主さんも頑張って介護してあげましょう。
・外科療法:症状が非常に重篤であったり、内科的な治療では効果がなかった場合に行います。基本的には分離してしまった関節鼠を取り除く手術を行います。手術した後には、数週間程度で元のように元気に遊びまわることが出来、再発は非常に珍しいと言われています。

離断性骨軟骨症に関する注意

この病気は大型犬・超大型犬がなりやすい、ということがわかっていますから、大型犬・超大型犬を飼う際には、この病気やそれ以外の病気(股関節形成不全など)のリスクを知っておくべきでしょう。また、念のため両親の遺伝的な病気があるかどうかを確認しておくこともおすすめします。
子犬を飼い始めた段階から常に体重管理をして下さい。これは、全ての病気に通じる予防方法です。また、過激にジャンプを繰り返すような運動を避けて、コンクリートや硬い地面の部分ではゆっくり歩かせ、走らせて負担をかけるようなことはやめましょう。
成長期のフードの与え過ぎにならないように、獣医師の指示に従って必要量を与えて下さい。

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