犬が皮膚を掻く頻度

よく、ワンちゃんやネコちゃんの飼い主さんに、ペットが皮膚を掻いたりしているかどうか尋ねると、”動物だから、掻くのは当たり前だし”という返事が返ってくることがあります。これは、確かにその通りだと思います。人間でも、大事な発表の時に、急に背中が痒くなったり、急に鼻がムズムズしたり、どなたでも経験があると思います。
しかし、ペットも人間もその頻度はとても低く常に掻いているわけではありません。大抵、1日に1度あるか無いか、その程度ではないでしょうか?つまり、掻いている頻度というものが普通の程度なのかそれとも異常と考えるべき程度なのか、鑑別する大きなポイントになります。
例えば、朝、ワンちゃんとお散歩に行く前に、足で、チャカチャカ、どこかを掻いていたとします。その後、帰宅してから、また同じ場所を掻いていたとします。この短い間に、掻いている仕草を2回目撃したら、飼い主さんは、少し気になり始めると思います。そして、1日に3、4回目撃したら、まず、場所はどこなのか、その場所は、掻いた後に、どうなっているのか、といった点をチェックしなければならなくなるでしょう。

犬が皮膚を掻く程度

私達は人間ですから、痒い部分があれば、少しの間、ポリポリと掻いても、うっかり行き過ぎたと感じたら、そこでストップをして、叩いたり、じっと我慢して、その手を引っ込めることができます。
さて、その感覚をワンちゃんに当てはめて考えるのは当然ですが、動物の場合、非常に痒みを感じた時には、一度、掻き始めると、とことんまで掻き続けたり、更には、なめ続けたりすることが非常に多いです。そして、ワンちゃんには、とても鋭い爪がしっかりと四肢に付いていますから、気がつくと、真っ赤を通り過ぎて、皮膚から出血ということもあり得ます。出血ともなれば、びっくりして病院に駆け込むという事になりかねません。
ですから、掻く頻度と同様に、どの程度の掻き方をしているか(舐めていることもあります)という点も、必ず気に留めておくべき事項です。

皮膚の痒みの原因 その1 ノミ・ダニ

犬の痒みと言っても部位によっても原因は様々ですがここでは最も代表的な皮膚の痒みの原因について触れてみたいと思います。
病院で、痒みのお話をする際に必ず確認することは1年を通して、毎月のノミ・ダニ駆除薬(或いは、3ヶ月に一度の駆除薬もあります)をしっかりと与えているかということになります。

つまり、外部寄生虫と言われるノミは、痒みの原因の代表で特に気温が13度以上で活発化しますから、外にお散歩に行く際にはうつる可能性があるのです。ノミは、ノミに刺された後の痒みと、ノミに対するアレルギーで痒くなることがあります。ノミアレルギーの場合は、赤いブツブツ(発疹、ほっしん)と脱毛が、特に背中や、尾の周りに認められ、場合によっては、尾をかじっていたりして傷が出来ていることもあります。そして、その傷から感染を起こすこともあります。また、人間にもうつりますからノミに刺されるとしばらくその痒みに悩まされることになります。

皮膚の痒みの原因 その2 アトピー性皮膚炎 食物アレルギー

次に、外部寄生虫の問題以外に考えられる代表的な原因を挙げてみます。
最近は、人間でも、アトピー性皮膚炎や、食物の原因で発症するアレルギーのお話が、必ず出てくると思いますが、ワンちゃんも、全く同様に、アトピー性皮膚炎や、食物アレルギーは、頻繁に取り上げられる病気です。
その症状は、常に、全身を痒がっているという事で、気がつけば、チャカチャカ掻いていて、場合によっては、飼い主さんが、その音で、夜に目が覚めてしまったりすることで、悩まれていたりします。
アトピー性皮膚炎の場合は遺伝が絡んでおり生活環境にあるアレルゲンが皮膚に付着したりそれを吸い込んだりして、初めは”季節ごと”に痒みが認められる事が多いのですが、いつの間にか”常に痒い”という状態になります。

1〜3歳ぐらいで発症、上図に示すように、多くの場合、①顔②四肢末端③腋④お腹⑤尾の周り等に、脱毛や痒み、場合によって外耳炎であることがあります。皮膚のバリア機能が落ちていますから、二次的に、普通にいる(常在の)細菌類やカビ類などにも反応して感染が広がります。

食物アレルギーは、正に、食べた物に対するアレルギーで、皮膚が痒くなったり、下痢や嘔吐をしたりする場合も考えられます。例えば、飼い主さんが落としたパンのかけらを食べて、実は小麦アレルギーだったので、大変な思いをした、と言ったことがないように、特に、食べ物は注意しなければいけません。
アトピー性皮膚炎も食物アレルギーも、検査をしつつ、診断を進めていくことになります。また、最終的には、掻くことで皮膚に傷を作ってしまい、そこから感染を起こして、症状が非常に重篤になる可能性がある為、常に掻いている仕草を発見したら、直ちに受診となります。
この他にも、痒みの原因は様々ですが、まずは、早めに痒みに気づいてあげることが重要です。

痒みの治療

治療は、原因にもよりますが、駆虫薬、内服薬、外用薬、シャンプー、或いは処方食がメインとなりますが、何より、根気よく病気と付き合うことが大切になって来ます。常に痒みが付きまとっては、とても可哀想ですから、飼い主さんの頑張りも必要です。アレルギーの可能性を考慮して、グレインフリーなどのドッグフードを選択することも非常に重要になってきます。

 

rihomeopath

筆者紹介 東京出身、獣医師、医学博士、人と動物のホメオパス、馬と牛の多いノルマンディーで、フランス人夫と田舎暮らしを始めたばかりです。

 

病気になる前にドッグフードをチェック!!

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