最近は健康志向が強まって、以前にはあまり見られなかった有機野菜やナチュラルフード、スーパーフードなどがスーパーの店頭にも並ぶようになりましたよね。

ナチュラルフードの民間資格なんかも登場しているようです。そんな健康志向、ナチュラルフード志向は私たち人間だけでなく、わんちゃんたちにも強まっていて、ドッグフードも従来のものから、ナチュラルフードに切り替える方や手作りフードにされる方なども増えています。

でも、わんちゃんって肉食?それとも雑食?穀類は大丈夫?など疑問に思う方もおられると思います。

今回はわんちゃんの食生活、特に穀類についてのお話です。

草食、肉食、雑食

わんちゃんに適した食生活を知る前に、草食、肉食、雑食について少し触れたいと思います。

草食とは、植物を主な食べ物とすることです。植物を消化して栄養を得るためには、胃や腸に存在するたくさんの微生物が必要不可欠です。この微生物たちが植物を消化して栄養にしてくれます。そのため、草食動物は胃や腸がとても発達して大きいです。
肉食とは、動物の肉を主な食べ物とすることです。肉を消化するために、微生物の力を借りるのではなく、消化酵素が存在し、自ら食べ物の消化をします。そのため、胃や腸など消化管が発達するのではなく、獲物を獲るための骨格が発達しています。
雑食とは、植物も動物も食べ物とします。生息地域の環境によっては、食べ物の確保が難しいことが原因となり、もともとは肉食であったものが、植物を食べるようになったと言われています。植物の消化にはたくさんの微生物の存在が必要で、消化も難しいため、植物と言っても葉や茎ではなく、主には実を食べます。

わんちゃんは肉食?

わんちゃんは肉食であると思われがちなんですが、実は雑食です。しかし、限りなく肉食に違い雑食です。そのため、歯を含め、胃や腸は肉の消化に向いていて、植物の消化はあまり得意ではないんです。

わんちゃんの奥歯ってどんな形をしているのか覚えていますか?

私たちの奥歯は専門的には「臼歯(キュウシ)」と言われています。臼歯の「臼」は訓読みで「うす」です。お餅つきの時に使う「うす」です。うすには「穀物をつく器」という意味があります。私たち人間の奥歯は物を噛んで潰すために平たい形をしていますよね。でもわんちゃんたちの奥歯は違います。便宜上、専門的にも臼歯と呼んでいますが、尖った形をしており、「裂肉歯」とも呼ばれます。

そうです、肉を引きちぎるための歯なんです。つまり、歯の形状からしても、限りなく肉食に近く、同じ臼歯でも私たちの臼歯とわんちゃんたちの臼歯では、はたらきが違うんですね。

穀類の消化

穀類は主に炭水化物からできています。

炭水化物は糖質で、その消化には唾液や膵液に含まれるアミラーゼという酵素が必要です。

まず口の中で十分に咀嚼して細かく噛み砕き、唾液と混ざり合い、アミラーゼと反応をします。それが胃を経て十二指腸でさらに膵液により消化されて吸収されます。

つまり、口の中でよく噛み、唾液と十分に混ざることが炭水化物の消化にはとても重要なことになるんです。

わんちゃんと穀物

では、わんちゃんたちは穀類を食べても大丈夫なのでしょうか?

先ほどもお話しをしたように、穀類の消化にはアミラーゼが必要になります。わんちゃんもアミラーゼが欠損しているわけではないので、消化することは可能です。しかし、歯の形状が咀嚼に向いていないのです。そのため、口の中で炭水化物を細かく噛み砕いて消化酵素と反応させることができません。その結果、膵液中のアミラーゼだけに消化の大半を任せることになるので、消化不良を起こす可能性がないわけではありません。

わんちゃんに穀類をあげてはダメなの?

最近はわんちゃん用の雑穀が売られていたりしますので、手作りフードでわんちゃんにも穀類をあげたいと思われる方もみえますよね。

わんちゃんに穀類をあげることが禁止というわけではありません。

実際にドッグフードの原料にもお米や小麦を使った製品も多くあります。わんちゃん達が穀類を消化できないわけではありませんが、基本的には穀類の消化は苦手だと思ってあげてください。なので、手作りフードにされる場合には、柔らかく煮たものをあげるようにするなど、消化を助けてあげられるような工夫をしてあげるとよいですね。
また、中にはお米や小麦などの穀類にもアレルギーのあるわんちゃんもいます。食物アレルギーでは皮膚に痒みや湿疹などの症状が出ますので、フードを変えた場合には皮膚の様子にも注意をしてあげましょう。

さいごに

愛犬にも栄養のある美味しくて良いフードを食べさせてあげたいという気持ちは、わんちゃんを飼われている方に共通の思いだと思います。

しかし、わんちゃん達は私たち人間と同じ雑食とはいえ、その食生活は異なるものであり、わんちゃんに合った食べ物をわんちゃんに合った食べ方で与えることが大切なんですね。

また、アレルギーが出ることもありますので、手作りフードに変更をする場合などには、主治医と連携を取りながらチャレンジすることが重要です。

(uw25rescueccnu)
育児をしながら臨床獣医師として勤務中、その傍でペットについて正しい知識を持ってもらいたいという思いから、執筆も手がけています。

病気になる前にドッグフードをチェック!!

スポンサードリンク