犬と猫は全く異なる見た目をしていますが、食べ物であるドッグフードとキャットフードの見かけはとてもよく似ています。

しかし、見かけが似ているからといって、犬にキャットフードを、猫にドッグフードを与えてもよいわけではありません。ドッグフードとキャットフードの違いについて解説します。

ドッグフードとキャットフードの製造方法の違い

ドッグフードとキャットフードの製造方法は基本的に一緒です。このため、見かけはよく似たものになっています。
製造方法は一緒ですが、原材料が異なるため、成分も異なっています。

犬と猫の食性の違い

犬は雑食寄りの肉食動物、猫は完全肉食動物です。つまり、自然界において、犬は動物性と植物性の両方の食物を摂取しているのに対し、猫は動物性の食物のみを摂取して生きてきたということです。この違いが、必要な栄養素の違いとなり、ドッグフードとキャットフードの違いに繋がります。
※犬は、肉食よりの雑食動物とされることもあります。いずれにしろ、雑食動物と肉食動物の中間的な食性を持っていることによります。

犬と猫の必要な三大栄養素の違い

食性の違いから、犬より猫の方が肉をメインとして食べなければならないことがわかります。肉は主にタンパク質や脂質からできていますので、猫の方が多くのタンパク質や脂質を必要とするわけです。
犬の場合、人間と同様にタンパク質は体の成長・維持に利用されますが、猫の場合、体の成長・維持に加えてエネルギー源としても利用することができます。

AAFCO(Association of American Feed Control Official:全米飼料検査官協会)の基準によると、タンパク質の必要最低量は、成犬の場合18.0%以上なのに対し、成猫は26.0%以上と8%も多くなっています。

脂質の必要最低量についても、成犬の場合5.5%以上なのに対し、成猫は9.0%以上となっています。

雑食性のある犬と比べると、完全肉食動物である猫は、エネルギー密度の高い食事を必要としていることがわかります。

炭水化物については犬と猫で逆の傾向となります。
ドッグフードには30~60%程度の炭水化物が含まれています。犬に炭水化物の含有量が少ない食事を与え続けると、血糖レベルを維持できずに無気力となっていまします。一方で、猫にとって炭水化物は必須ではなく、タンパク質と脂質中心の食事で十分に血糖レベルを維持することができます。必須ではありませんが、40%程度の量まではエネルギー源として利用することはできます。

犬と猫の必須アミノ酸・必須脂肪酸の違い

体内で合成することができず、食事から摂取が必要なアミノ酸のことを必須アミノ酸、脂肪酸のことを必須脂肪酸と言います。

犬にとっての必須アミノ酸は、アルギニン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、スレオニン、トリプトファン、バリンの10種類です。猫の場合はさらにタウリンを加えた11種類が必須アミノ酸となります。

※人間にとっての必須アミノ酸は、犬からアルギニンを除いた9種類です。
猫にとってだけ必須であるタウリンは、動物の組織内だけに存在する栄養素です。このため、植物性の食物からは摂取することができず、必ず動物性の食物を必要とします。

ω-6(オメガ-6)脂肪酸のひとつであるリノール酸とアラキドン酸は、犬は体内で合成できますが、猫はそれができないため必須脂肪酸となります。この内、アラキドン酸は動物性の食物からしか摂取することができません。
※アラキドン酸について、成犬は必須ではありませんが、子犬は必須です。

必須アミノ酸や必須脂肪酸の違いからも、犬は雑食性であるのに対し、猫は完全肉食性で、いかに動物の肉を食べることを必要としているかがわかります。

犬にキャットフード、猫にドッグフードを与えたときの影響

ドッグフードもキャットフードも、犬・猫双方にとって毒性のある成分が含まれているわけではありませんので、一時的に少量であれば、犬にキャットフードを、猫にドッグフードを与えても問題はありません。

しかし、ドッグフードとキャットフードは、犬と猫にとって必要な栄養素を考慮して作られていますので、長期的に与えてはいけません。
犬にキャットフードを与えることは、栄養バランスが崩れた状態ではありますが、必要な栄養素は満たしているという観点だけ見ると問題ありません。一方で、猫にドッグフードを与え続けると、栄養失調となってしまい、病気に繋がりますので、絶対に避けなければなりません。

筆者yukiya.hiプロフィール:
動物好きが高じてペットフード販売業を営む。大切な家族の一員として、体に良いペットフードをあげたいけれど、どうやって選べばよいのかわからないという飼い主さんに、カウンセリングを通して最適なフード選びを提案しています。

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