ワンちゃんのアレルギーと聞いて、まず頭に浮かぶのは皮膚の問題だと思います。毎秒、毎秒、また体を掻いている!と飼い主さんは気にしてはいるものの、それが環境にある何かが原因のアレルギーと気づいていない為、ワンちゃんはひたすら掻き続けて、全身脱毛や引っ掻き傷、四肢末端が舐め過ぎて色素沈着、皮膚は脂漏でベタベタなのにフケ、といった姿を診察室で見かけることは非常に多いです。
もちろん皮膚炎だけでなく、くしゃみ、鼻水、目の充血、下痢や嘔吐、どれもアレルギーの症状と考えられる場合があります。もし、これらの症状がアレルギーであるならば、アレルギーを起こす原因物質(アレルゲン)を知ることで、それを排除することができます。最近では、このアレルギー物質が何であるかを調べる検査が頻繁に行われており、その結果からアレルゲンを避けることができ、症状がある程度軽減される可能性があります。

犬のアレルギー検査の種類と費用

犬のアレルギー検査の基本的なコンセプトは、先にアレルゲンかもしれないと考えられる物質をいくつかピックアップして、それがアレルゲンかどうか、一つ一つ確認するものです。以下に、主な検査を紹介します。

・皮内反応試験

アレルゲンと考えられる物質の皮下注射をして反応を見る検査です。皮膚の反応の度合いによって、アレルゲンを特定していきます。この検査では麻酔が必要になる為、ワンちゃんには非常にストレスが大きく、あまりおすすめできません。また、検査の段階で皮膚症状が重篤であったり、アレルギーに対する薬剤を服用しているワンちゃんに行うことはできません。

・アレルゲン特異的IgE抗体検査

アレルギーを疑わせる症状があるワンちゃんの血液の中には、ある種のアレルゲンが入って来た結果、それに対して特異的に反応するタンパク質(特異的IgE抗体と呼ばれます)というものが含まれている可能性があります。そこで、考えられるアレルゲンをピックアップして、それらに対する特異的IgE抗体の濃度を測定します。この検査は、呼吸器や皮膚、口、などから体に入ってきたアレルゲンが原因であるアトピー性皮膚炎の診断を助ける一つの検査として行われます。(食物アレルギーの診断には、更に除去食*を食べる必要があります。)

*)除去食とは、アレルギーにならない療法食などで、これを3ヶ月程度食べて症状を診ます。

・リンパ球反応試験

食物に対するアレルギーがある場合には、特異的IgE抗体の産生以外に、リンパ球という免疫に関係する細胞が活性化することがあります(遅延型アレルギー)。特異的IgE抗体が陰性であるアレルゲンでも、こちらの検査で陽性になるかを確認します。

・検査費用

どの検査も調べるアレルゲンの数が多ければ多いほど値段が上がります。 30,000円程度は見積もっておきましょう。また、新しく病院を選ぶ場合には初診料もかかり、採血技術料を別にとる場合もありますから、予め、単刀直入に料金を聞くことが必要です。

犬のアレルギー検査におけるアレルゲンとは

アレルゲンの種類や数は、検査機関により幅がありますから、病院に問い合わせて下さい。主なアレルゲンは次の通りです。

・植物類(草花、雑草、樹木)
・真菌(カビ)類
・動物の上皮(犬、猫、ネズミ、羽毛、など)
・食物(牛肉、豚肉、鶏肉、卵、牛のミルク、小麦、大豆、米、玄米、鮭、など)
・服の素材(ウール、コットン、など)
・生活空間(タバコの煙、ハウスダスト、ゴキブリ、など)

犬のアレルギー検査の結果

アレルギー検査で何がアレルゲンになるかがわかって100%安心、というわけではありません。アレルギー検査は治療の第一歩ですから、これからが本格的な治療となります。元々、限られた種類のアレルゲンしか検査ができない為、もしかしたら、そのアレルゲン以外にも、まだまだ原因物質があるかもしれないのです。そして、陽性と出たアレルゲンが必ずしもアレルギー症状を出しているかどうかもわかりません。しかし、最低限、”これは避けた方が良いかもしれない”というものがわかる為、症状が軽減される可能性は期待ができます。
ですから、アレルギー検査の結果を参考にしながら、ワンちゃんの体質を理解して、自宅の環境整備やフード、ライフスタイルを変えていくことが次のステップになります。

犬のアレルギー検査の注意点

アレルギーという病気は非常に複雑で、一つの検査を行えば簡単に解決するというものではありません。残念ながら、今回紹介した検査の結果だけでは完璧なアレルゲン探しにはなりません。食物アレルギーに関しては、除去食を試したりする必要もあります。しかし、飼い主さんの考えで行わず、必ず、獣医師に相談して行わなければなりません。間違った方向に進んでしまうと、治療がますます困難になる可能性がありますから、注意して下さい。

rihomeopath

筆者紹介 東京出身、獣医師、医学博士、ニューヨークで人と動物のホメオパシーを4年間学び、日本では小動物臨床を10年ほど経験。馬と牛の多いノルマンディーで、フランス人夫と田舎暮らし中。

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