最近、やたらとお水の容器が空になるなぁ、なんて感じておられる方、もしかしたら、ただ暑いだけじゃないかもしれません!もしかしたら病気のサインかも…うちの子、大丈夫?今回は、わんちゃんとお水の飲み方についてのお話です。

わんちゃんの飲水量

わんちゃんの体はおよそ70%が水分であると言われています。私たちと同じように、わんちゃんたちも体の状態を保つために水分は必要不可欠なものです。それでは、1日にどのくらいの水分を必要としているのでしょう。専門的にはその計算式があります。

1日に必要な水分量=体重(Kg)の0.75乗+132ml

なんだかとっても難しいですね。この水分量にはフードやおやつなどから得られる水分も含まれています。ドライフードにはほとんど水分は含まれておらず、逆に缶詰は水分が豊富に含まれています。ドライフードを食べているわんちゃんは飲水量は多いだろうし、缶詰を食べているわんちゃんは実際飲む飲水量は少ない、といえます。そのため、食事から摂取する水分を差し引きます。そして、食べているフードの形態などによる個体差を考慮して幅をもたせたとき、実際にお水として飲む量は、体重1Kgあたり、40ml〜60mlが正常とされています。体重3Kgのトイ・プードルで考えてみましょう。

1日の飲水量の目安=3Kg×(40ml〜60ml)=120ml〜180ml

となります。すこしイメージがつきにくいでしょうか…ちょっと言い方を変えると、体重のおよそ10%量の水分をおよそ2日で飲む、ことになります。
では体重1Kgあたり61ml飲んだから異常か…と言われたらそういうわけではありません。
病的な場合、体重1Kgあたり、100ml以上飲みます。先ほどと同じ、体重3Kgのトイ・プードルでは、300ml以上、1日で体重10%を超える重さの水を飲むという計算になります。
お水の飲む量を気にして動物病院へ来られる患者さんも実際に多くおられますが、実際に飲水量が多い場合は少なく、尿の量が多い、と来られる患者さんに病気が見つかる事が多いです。

わんちゃんの水分補給

わんちゃんに必要な水分量がわかったので、実際、どんな水を与えたらよいか、についてお話を進めていきましょう。

水分補給には、水道水、天然水、ミネラルウォーター、スポーツドリンク…様々な種類がありますが、わんちゃんにはどんなタイプの水が向いているのでしょう。
私たちは、暑ければ汗をかき、体温を下げます。汗にはミネラル成分が入っていますので、汗をかいた時にはスポーツドリンクが推奨されていますね。では、わんちゃんはどうでしょう。わんちゃんは汗をかいて体温を下げることはしません。暑くなるとハァハァして息を吐く時に水蒸気を出して体温を下げますので、水道水、または、天然水で十分間に合います。
たまに、ミネラルウォーターをあげています!なんて方もおられますが、ミネラルウォーターには過度のミネラル、特にカルシウムやマグネシウムが入っていますので、下痢や結石の原因になりかねません、注意しましょうね。

飲水量が増える病気

では、飲水量が増えた時、どんな病気が潜んでいるのでしょうか?飲水量が増える病気をいくつかご紹介します。

糖尿病

飲水量が増え、尿量も増えます。食べていても痩せてくるなどの症状があります。わんちゃんの場合、人と同様に白内緒などの合併症もみられます。シュナウザーやプードルは好発犬種としてあげられますので、シュナウザー、プードルを飼われている方は飲水量や尿量を観察してあげてくださいね。
症状を聞き、血液検査を行い診断します。

クッシング症候群

内分泌ホルモンの病気です。体の中で作られる内因性のステロイドが過剰になる病気です。飲水量増加の他、皮膚が薄くなる、脱毛する、などの症状がみられます。
症状を聞き、血液検査を行います。疑わしければホルモン検査を行います。

慢性腎不全

腎臓の機能が失われる病気です。腎臓がうまく働かないので、脱水し、飲水量が増えます。食餌管理が重要になってきます。
血液検査、尿検査を行います。

子宮蓄膿症

子宮に膿が溜まる病気です。高齢で避妊手術をしていない女の子は要注意です。発情から1ヶ月ほどして症状が出ることが多いです。また、季節的には夏によくみられますので、暑さからくる夏バテなどと勘違いされることもあります。
症状、エコー検査を行い、血液検査やレントゲンで全身状態を把握します。手術が必要です。

どの病気もひどくなると命に関わる怖い病気です。お水の飲み方は症状発現のサインのひとつです。気になることかあれば、動物病院へ受診しましょう。

さいごに

わんちゃんとお水の飲み方について、いかがでしたか?水の飲み過ぎが心配だからといって制限するのはやめましょう。特にこれから暑くなりますので、新鮮なお水を十分に与え、熱中症にも気をつけてくださいね。愛犬の水の飲み方、量を見極めて、いつもと違うの様子を感じたら、動物病院に行きましょう。病気のサインを見逃さないでください!

筆者紹介:uw25rescueccnu

育児をしながら臨床獣医師として勤務中、その傍でペットについて正しい知識を知ってもらいたいという思いから、執筆も手がけています。

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