まず最初に知っておかなければならないことは、この感染症はワクチンが存在しているので、飼い主さんは混合ワクチンの”中身”、つまり、何の病気を防いでくれるワクチンを接種しているのかを確認しましょう。6種以上の混合ワクチンである場合に、入っていることが多いです。
犬コロナウイルスは、ワンちゃんの腸炎を起こす感染力の強いウイルスで、特にまだ小さな、生後半年に満たない子犬は感染して、発症するリスクが高いです。一度感染すると、数日間は”お腹の調子が悪い”状態に陥ります。コロナという名前は、ウイルスの形がコロナ(ラテン語の王冠を意味する言葉)状であることに由来しています。犬コロナウイルスは人間には感染しませんが、人には人のコロナウイルスが存在し、全く別のウイルスです。

犬コロナウイルス感染経路

コロナウイルスに感染しているワンちゃんが排泄した便や、嘔吐した物に含まれているウイルスを、口から摂取したことで感染が成立します。便を直接舐めていなかったとしても、近くに感染犬がいるとすれば、ご飯皿やケージの一部に便などが付着していることに気づかずに舐めてしまっていた、感染犬と遊んだ、などでも感染します。
例えば、生体販売を行っているペットショップは、狭い空間で子犬同士が一緒に遊んでいたり、衛生管理が行き届いていない場合もあるので、感染しやすい状況にあり、注意が必要です。
また、一度感染して症状が治まった後は、約半年近くは便にウイルスが排泄される可能性がある為、回復した後も別のワンちゃんにうつらないように配慮が必要になります。

犬コロナウイルス感染症の症状

ウイルスに感染すると、2、3日以内に症状が出て、1週間〜10日程度で症状は落ち着きますが、特に子犬の場合には、二次感染で細菌感染や他のウイルス感染があると、症状が重篤になり、なかなか回復しないことがあります。
主な症状は以下のようになります。

 ・下痢
・嘔吐
・重度の脱水
・食欲不振
・衰弱

感染してから、突然悪臭を放つ水のような下痢をし始める、といったことが多く、場合によっては血便と粘膜が含まれた粘膜便、オレンジ色に近い便が出たりします。子犬で特に注意しなければならないのは、この感染症とプラスして、非常に恐ろしいパルボウイルスの複合感染です。最終的には、下痢と嘔吐、食欲廃絶と脱水で子犬が死亡する確率がかなり高くなります。
一方、成犬の場合は抵抗力もあるので、あまり症状が出ません。

犬コロナウイルス感染症の治療

特効薬は存在しません。ですから、出ている症状に対しての治療(対症療法)がメインになります。多くの場合、子犬は脱水症状が重篤化しており、静脈点滴をしながら、経過を見ることになります。また、抵抗力を上げるための注射(インターフェロン)や二次感染として考えられる細菌類の治療として抗生物質を使用することが多いです。

犬コロナウイルス感染症と下痢に対する対処

子犬の場合には、特に下痢は慎重に考えなければなりません。寄生虫による下痢、たまたまフードが合わなかった時の下痢、他のウイルスの感染症による下痢、原因はいくらでも考えられ、抵抗力が低いことで重症化しやすいです。一度の下痢で慌てても、決して悪いことではありません。すぐに獣医師に相談してみましょう。
成犬で元気である子でも、1日経過して状態が全く改善していなければ、すぐに受診して原因を明らかにし、何らかの治療をスタートすべきです。また、元気がない場合は、緊急と考えて下さい。

犬コロナウイルス感染症の注意点

他のワンちゃんが沢山集まるような場所は、必ずしも安全とは言えません。例えば、ドッグランや、色々な犬仲間が集まるイベントは、別の地域から来る方もいるので、生活環境が全く異なります。ですから、接触する全てのワンちゃんの体調や予防状態は様々で、感染の可能性は潜んでいます。
最初に述べたように、コロナウイルスはワクチンが存在していますから、今まで接種した混合ワクチンの中にコロナウイルスが入っていない場合は、獣医師に相談してみましょう。ただし、ワクチンは”合う”、”合わない”がありますし、ワクチンが完璧な予防ではないこともしっかりと理解して、多くのワンちゃんが集まる場所に出かける場合には、十分に注意しましょう。

rihomeopath

筆者紹介 東京出身、獣医師、医学博士、ニューヨークで人と動物のホメオパシーを4年間学び、日本では小動物臨床を10年ほど経験。馬と牛の多いノルマンディーで、フランス人夫と田舎暮らし中。

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