セカンドオピニオン(second opinion)とは、ズバリ、二番目の意見です。人間の場合、最初の病院で診断して貰い、治療法を計画した際に、それよりもっと他はないのか?と、セカンドオピニオンを探される方も多いと思います。また、とある病院では治らないから、別の病院に行く、或いは、行った病院では専門医がいない為、別の病院を紹介される、といったパターンもあります。

獣医業界でも、それは当然の話です。最近は大きな病院がいくつも出来て、専門医制度も整って来たことから、一般の開業病院(一次診療施設)から専門医がいる二次診療施設の大病院に紹介されることが多くなりました。しかし、今回取り上げるのは、”高度医療”ではなく、最も基本的な”一般診療”に不満があり、”セカンドオピニオン”はどこへ聞きに行けば良いのか、そんなお話です。

獣医師のセカンドピニオンが必要な理由

昨今は、インターネットの普及によりネットから病気の情報を集めて、飼い主さんが思い込みで診断を進めていることがよくあります。しかし、インターネットの情報は一方通行の教科書と同じです。大学で授業を受ける際に、教科書を元に教授は説明を補足していきます。実際には例外もある、個体差が大きい、基礎疾患がある、そういったポイントを押さえ、グローバルに診て診断をしていく術を学びます。”木を見て、森を見ない”では、診断はできません。一つの症状だけ見つめていても、病気の正体はわからないのです。多くの飼い主さんは、”木を見て、森を見ていない”ので、獣医師の説明不足も手伝って、混乱することがあります。
ですから、まず、少しでも疑問を覚えたら、獣医師に素直にその意思を伝えて下さい。実は、説明不足なだけである可能性もあります。しかし、飼い主さんの気持ちをそのまま伝えづらい獣医師であれば、その時点で”性格が合わない”(ケミストリーが合わない)、ということで、セカンドオピニオンを聞きに行きましょう。

獣医師のセカンドピニオンを聞くための準備

別の病院に行く際に必要なことは、最初の病院で言われたことをしっかりと理解して、どこに疑問があるのかを頭で整理しなければいけません。しかし、そもそも言われたことが理解できず、という場合は、その旨をしっかりと伝えましょう。獣医師は、飼い主さんの疑問点、どうしてこの病院に来たのか、何を希望しているのか、を理解しないと、次のステップに進めません。
また、前の病院で行われた検査の結果を持って行くことは必要です。(前の病院で、結果を渡して貰えなかった場合は、その時点で、病院の体制に問題があります。)すでに行なった検査を繰り返す必要があるか、或いは、その検査が全く無意味か、などを判断します。
受け入れる側にしてみると、すでに飼い主さんは別の病院でお金をつぎ込んでおり、また同じ検査を繰り返す必要があるのか、という経済面も考えながら診察を進めます。また、獣医師も人間ですから、他の病院で不満があって、我が病院に来て頂いたなら、尚更、早く問題を解決してあげなければ、という使命感も出て来ます。

獣医師のセカンドピニオンを聞くための病院選び

近所の病院を渡り歩く、というのも一つの方法ではあります。近所を散歩している人に聞いてみることも、間違いではありません。ネットの情報も、ある程度は参考にできるでしょう。
たまに、動物病院の薬剤は期限切れを使うことがある、という情報をネットで見かけますが、この背景には一つ理由があります。多くの薬剤の安定性は未開封、適切な保存状態であれば、実際は3年以上ですが(中には期限なしもあります)、それを利用して経費削減を行う病院が、”昔は”存在しました。しかし、製薬会社と薬事法で決められた使用期限は期限であり、現在は、動物病院に通う動物の増加によって院内での薬剤の回転が早い、薬剤を箱買いでなく、シートなどで個別販売する業者もあることから、そういった古い体質は卒業したと言えるでしょう。
以上のことを踏まえて、病院選びのポイントをいくつか挙げて見ます。

・院長の出身大学
院長の大学によって、代診(雇われている獣医師)の教育もわかります。一般的に、国立大学の獣医師は、人付き合いが下手な場合でも、医療には問題がなく、代診も頑張って勉強している傾向にあります。私立大出身の獣医師は、学業に関して差が激しいこともありますが、医療面が素晴らしい病院は、明らかに患者数が多いので、外側から見ても患者さんの出入りがわかると思います。
・経験年数
経験年数は、非常に重要なポイントです。獣医師は24歳〜が新卒ですから、院長クラスになると経験10年以上は確実で、40代、50代であれば、新しいものも取り入れている可能性が高く安心です。
・学会
獣医師は大学での勉強が終わってしまっている為、学会に参加して新しいことを勉強します。学会に行く為、お休みします、という病院は勉強熱心ですから期待ができます。
・診察
例えば、ワクチンの際に体重、体温、聴診、をルーチンに行わない診察は、おすすめできません。特に体温を測らない場合は、NGです。ワクチンは簡単なようで、簡単なものではありません。発熱時には絶対に接種できません。
・料金
これが一番頭が痛い部分ですが、都内で混合ワクチン6種や8種、初診料込みで10,000円を超える場合は少し高い印象があります。
・ロケーション
通院が難しい、駐車場が狭い、などは、どちらかと言うと獣医師の素晴らしさと比較をするしかありません。昔ながらの狭い場所で開業している病院でも、非常に流行っている場合は、無理をして行く価値があります。
・人間性
獣医師も病院のスタッフも、結局、人間ですから、”合う”、”合わない”ということがあります。どんなに治療が完璧であると言われても、合わないものは合いません。無理をせずに次を探しましょう。

獣医師のセカンドピニオンについての注意

世の中は様々な人がいて、その人によって考え方が変わります。ここでは、一つの意見としてご理解頂きたいのですが、基本的に熱心に勉強をして、常識がある獣医師は、お金には熱心ではありません。医療を正当に、また真剣に行う為に必要な料金を請求します。確実な診療と正当な費用請求を行うことで、自然と飼い主さんは寄ってきます。勉強不足で医療に自信がなく、飼い主さんが寄って来ない獣医師は、経営する為に悪徳化する可能性がありますから、注意して下さい。

rihomeopath

筆者紹介 東京出身、獣医師、医学博士、ニューヨークで人と動物のホメオパシーを4年間学び、日本では小動物臨床を10年ほど経験。馬と牛の多いノルマンディーで、フランス人夫と田舎暮らし中。

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