眼瞼内反症は、その殆どは遺伝的要素が関わっているとされる瞼の病気で、瞼が内側に反転した状態になります。この状態を放置しておくと、反転した部分の瞼が目の表面(角膜)をこすり続けます。やがて、それが原因で涙が沢山出たり、痛みが出たり、見えにくくなったり、最終的には角膜にダメージを与えます。特に、睫毛(しょうもう、まつげ)が内側に向いてしまう(逆さまつげ)ことで、結膜炎(白目の瞼の裏を覆う膜の炎症)、角膜炎(角膜の炎症)、角膜潰瘍(角膜が削れる)、などになることが非常に多いです。勿論、症状は大きく個体差があり、あるワンちゃんは、片方の目だけ、あるワンちゃんは両目、という違いもあります。内側に反転しているのは上下瞼のどちらかであったり、上下両方であったり、その範囲は、瞼の一部であったり、全体であったりすることもあります。しかし、多くの場合は下瞼のみで、その度合いも殆ど気づかない程度であったり、非常に大きく反転してしまっている場合もあります。

犬の眼瞼内反症になりやすい犬種

遺伝的になりやすいとされる主な犬種は以下の通りです。

 ・チャウチャウ
・シャーペイ
・イングリッシュブルドッグ
・秋田犬
・グレートデン
・ワイマラナー
・ロットワイラー
・スパニエル種
・マルチーズ
・トイプードル
・パグ
・ペキニーズ
・シーズー

などです。

犬の眼瞼内反症の原因

先天性と後天性がありますが、後天性の場合には目の病気(例えば炎症)や目の周りの筋肉の張りがなくなってしまう、事故による外傷、などが考えられますが、一般的になりやすい原因を以下に示します。

・遺伝性
なりやすい犬種が存在することで、遺伝が疑われいます。この場合、目と瞼の構造に異常がある結果であり、生後数週間で気づかれる場合もあれば半年を経過してからの場合もあります。直接の原因は詳しく分かっていませんが、おそらく顔の形や皺、短い鼻先(マズル)、といった条件が複雑に関係していると言われています。
・顔の皺
顔に皺があることで発症する可能性が高くなります。また、それにより発症する年齢は早く、また重度になる可能性も高くなると考えられています。
・顔の形
マズル(鼻先)が短めであったり、平坦な顔の構造をしている犬種は発症する可能性が高いです。
・年齢
先天性の場合には一歳未満が多いですが、後天性の場合には特に高齢犬によりリスクが上がります。
・目の病気
後天性の場合には、結膜炎や角膜潰瘍などが逆にこの病気を誘発することもあります。
・肥満と削痩
肥満して、特に首の周りに沢山の脂肪がつくことで頭頂部から上瞼への皮膚のたるみが助長され、発症する可能性が出てきます。逆に極端に痩せてしまうと、顔の皮膚がたるんでしまい、発症する可能性があります。

犬の眼瞼内反症の症状

外側から見て、明らかに瞼の異常がわかる場合が殆どですが、わかりにくい場合もあります。実際にこの病気であることで、具体的に出て来る主な症状を以下に示します。

・瞬き
目が気になる為、頻繁に瞬きをすることがあります。また、ピクピクと痙攣のような動きも見られ、特に光を気にして目を開くことを嫌がることもあります(羞明、しゅうめい)。
・涙、目やに
目が常に瞼の反転によりこすらてしまう為、涙が出ている状態が続き、涙の痕跡(涙やけ)も見られたり、目の周りの皮膚が涙で炎症を起こすこともあります。また、いわゆる逆さまつ毛と言われる状態が見られます。この状態が続いて、目をこすったりすることで、次第に目やにが出て来ることもあります。
・充血
目が瞼や逆さまつ毛で刺激されたり、自分でこすったりすることで、目の充血が見られます。
・痛み
目の症状が進んで来ると痛みが出て、それを気にして自分からも目をこすり、ついにはそれが原因で症状が悪化することがあります。また、痛みがひどい場合には、食欲不振や神経質になって、触ろうとすると起こる、などの症状が見られることもあります。
・視力低下
目を常に気にして、更に角膜潰瘍が進んでいくと、最終的には目が全く見えなくなることもあります。

犬の眼瞼内反症の治療

確実に治す為には、外科手術が必要です。しかし、成長とともに顔の形が変わる為、小まだ幼犬の間は、逆さまつ毛を抜いたり、出ている症状に合わせて点眼薬や眼軟膏を使って一時的に症状を緩和する方法をとります。そして、成犬になって顔の形がある程度定まった段階で、正しい位置に来るように瞼の周りの皮膚を一部切除する手術を行います。しかし、幼犬の時期に点眼薬などで症状が緩和できない場合には、第一段階の一時的な手術を行って瞼の状態を矯正し、成長した段階で皮膚を切除する手術を行うこともあります。

犬の眼瞼内反症の注意

この病気は早期診断により、早期に治療計画を立てることで慢性的な目の病気になることを避けることができます。ですから、小さい時からワクチン時の健康診断をしっかり受けて、目の状態をまめにチェックしてもらいましょう。

rihomeopath

筆者紹介 東京出身、獣医師、医学博士、ニューヨークで人と動物のホメオパシーを4年間学び、日本では小動物臨床を10年ほど経験。馬と牛の多いノルマンディーで、フランス人夫と田舎暮らし中。

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