飼い主さんにとって、一番驚くことは、恐らく、ワンちゃんが思った以上によく嘔吐することだと思います。
人間に置きかえて考えてみると、一年のうち、何回も嘔吐することは、滅多にないと思います。
しかしながら、ワンちゃんは、生理的に、人間よりはるかに頻繁に嘔吐することがあります。また、嘔吐と言っても、”口から何かを吐き出した”=”嘔吐”、と思いがちですが、この言葉には、微妙な意味合いがあります。
例えば、口から入った物が、胃まで到達しないで、食道から吐き出された場合、これは”逆流”と言われています。
一方、よく、ワンちゃんが、お腹のあたりをへこへこと動かし、胃の方から力いっぱい吐き出す姿を見かけたことがあるかと思います。この場合は、”嘔吐”と言います。
この嘔吐の内容物(吐瀉物)には、色々なパターンがありますが、飼い主さんが、見つけられて、一番、焦ってしまうのは、もしかしたら、緑色の液体かもしれません。
では、ここで、この緑色の正体を探ってみたいと思います。

緑色の吐瀉物の原因 その1

緑色と聞いて、まず最初に思いつくのは、おそらく植物だと思います。ワンちゃんをお庭に離したり、また、お散歩に連れて行った先で、雑草などがたくさん生えている場合は、植物の匂いを嗅ぎながら、そのまま食べてしまい、時間が経過してから、吐き出してしまうことがあります。この場合は、原因がほぼ明らかで、わかりやすいと思いますが、注意しなければいけないのは、植物によっては、動物には毒である場合がありますから、絶対に、こういった事故がないように気をつけなければいけません。

緑色の吐瀉物の原因 その2

次に、更に一歩進んだ状態が考えられます。
食物を吸収するためには、消化という仕事を行わなければなりません。そこで、胆嚢にある胆汁がその役割の一部を担っています。この胆汁は、食物を摂取すると、胆嚢が動き出して、十二指腸に排出されていきます。この胆汁は、緑色を呈しており、これが、胃まで漏れ出てきて、結果的に吐瀉物として出てくることがあります。

胆汁を含む嘔吐の原因

では、そのような胆汁を嘔吐する原因として、よく認められるものは何かと言いますと、一つは、胃炎が挙げられます。ワンちゃんは、何でも口に入れてしまうことがある為、人間の食べこぼし、中でも、特に脂肪分の多く含んだ食物を食べてしまった、或いは、普段から食べ慣れていない新しいフードや、アレルギー物質が入ったフードをうっかり与えてしまった、と言った事故が嘔吐につながってしまいがちです。
次に考えられる原因は、感染症です。腸管が病原菌やウイルスに感染したり、或いは消化管内寄生虫に感染した場合には、その一つの症状として、嘔吐が現れ、その吐瀉物が緑色であることがあります。
更に、長時間空腹が続いた、勢い良く水を大量に飲んでしまった、などの場合も、嘔吐する傾向があり、その吐瀉物の性状が緑色である場合があります。特に、前日の晩に食餌を与えてから、翌日の食餌時間までが長い場合は、スケジュール調整が必要になるかもしれません。
また、これらの他にも、もちろん、膵炎、ガン、肝臓や腎臓の病気などでも嘔吐が続き、胆汁を含む吐瀉物が認められることがありますが、一番重要なことは、まず、嘔吐の回数と、嘔吐した後に元気でいるか、食欲が全く変わらないか、これらの点をしっかりと観察し、回数が続くようであれば、すぐに獣医師の受診を検討すべきです。嘔吐は脱水を招く為、点滴が必要になることが多く、自宅での経過観察はお勧めできません。

注意のポイント

胆汁は、酸を含んでいる為、何度も食道を通過して嘔吐する事態が続くと、食道の壁が壊されて潰瘍を招く恐れがあります。
特に、消化器症状に弱い、小型種、短頭種、レトリバー、プードルなどの犬種は、普段からよく注意をして、食べている時は、なるべくそばで観察をしていた方が良いでしょう。
最後に、ワンちゃんは室内飼育が増えています。その為、飼い主さんの食べているご飯を盗み食いしたり、ちょっと可愛いから、あげてしまおう、といったことをやりがちです。しかしながら、人間のフードは絶対に与えてはいけないので、欲しがっても、我慢してもらうしかありません。小さなお子さんが、大人の見ていないところで、人間のお菓子をあげてしまった結果、体調を崩して、嘔吐してしまう事故などもよくあります。是非、気をつけて下さい。

rihomeopath

筆者紹介 東京出身、獣医師、医学博士、人と動物のホメオパス、馬と牛の多いノルマンディーで、フランス人夫と田舎暮らしを始めましたばかりです。

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