動物病院で最も高い療法食と言っても過言ではない、ロイヤルカナンから販売されている”アミノペプチドフォーミュラ”をご存知でしょうか?おそらく、皮膚が痒くて痒くて困る、下痢が続いている、などの症状で病院に通院している際に、”試してみたら?”と獣医師に言われた方が”何だろう?”と情報を探し回っているのではないでしょうか?
初めにしっかりと断っておきますが、これは”療法食”ですから何も病気がない元気な子が食べるフードではありません。しかも獣医師の指示なしで始めるフードでもありませんし、獣医師の指示なしで辞めるフードでもありません。
では、どんな療法食なのか見てみましょう。

アミノペプチドフォーミュラの特徴

このフードの特徴は、何と言ってもタンパク質に対して非常に気を使っているということです。タンパク質をとても小さな分子(これをアミノ酸と言い、アミノ酸が繋がるとペプチドとなります)に加工することで、アレルギー反応が起こりにくくしてあります。
ですから、食物アレルギーが疑われる皮膚の痒みや炎症、下痢や嘔吐などの消化器症状があるワンちゃんにとって、救世主である可能性があるのです。従来のアレルギー用の療法食はどちらかと言うと、原因になるタンパク質を除いたフード(例えば、小麦が入っていない、ビーフが入っていない、など)が主体でしたが、このフードはタンパク質をとことんまで小さくしてアレルギー反応を起こさせないという理論を採用しました。そこで、今まで試したフードではなかなかアレルギー症状が改善しないワンちゃんには、是非、試してもらう価値があると思います。

アミノペプチドフォーミュラの原材料と成分分析

主成分に何が使われているかを見てみましょう。

コーンスターチ、加水分解フェザーミール(アミノ酸およびオリゴペプチド)、ココナッツオイル、大豆油、植物性繊維、チコリーパルプ、フラクトオリゴ糖、魚油動物性油脂、マリーゴールドエキス(ルテイン源)、乳化剤(グリセリン脂肪酸エステル)、アミノ酸類(L-チロシン、L-リジン、タウリン、L-トリプトファン、DL-メチオニン、ヒスチジン)、ミネラル類(K、Ca、P、Zn、Mn、Fe、Cu、I、Se、ゼオライト)、ビタミン類(A、コリン、D3、イノシトール、E、ナイアシン、C、パントテン酸カルシウム、B6、B2、B1、葉酸、ビオチン、B12)、保存料(ソルビン酸カリウム)、酸化防止剤BHA、没食子酸プロピル)※調達の都合により、原材料を変更する場合がございます。

コーンスターチ:フードの形状を保つために使われている素材ですが、炭水化物です。

加水分解フェザーミール:フェザーミール(家禽の羽毛を原料として作られる)を加水分解してタンパク質が低分子になった状態のものです。これによって消化性も上がります。

ココナッツオイル:中鎖脂肪酸(MCFA)と言って、消化を良くし、皮膚や被毛の質を高めると言われています。
大豆油:これはオメガ-6脂肪酸の元となります。他のカノーラ油のようなものと違い、大豆油はオメガ-3脂肪酸があまり入っていませんが、他の成分に含まれています。
*オメガ-6とオメガ-3は、必須脂肪酸と言われており、オメガ-6は炎症作用、オメガ-3は抗炎症作用に関係しています。
粗タンパク16.9% 粗脂肪 14.5% 粗繊維 4.2%  水分10.0%

 

タンパク質

18.5 g

21.0 mg

脂肪

17.0 g

1.54 mg

食物繊維

6.2 g

亜鉛

23.0 mg

灰分

9.1 g

ナトリウム

0.75 g

水分

6.7 g

EPA+DHA

206 mg

炭水化物

49.4 g

タウリン

0.22 g

カルシウム

1.0 g

アルギニン

1.15 g

カリウム

1.09 g

ビタミンE

61.8 mg

リン

0.82 g

ビタミンC

20.6 mg

マグネシウム

0.05 g

ビタミンB

94.80 mg

(単位/400kcal

これらの成分は 、AAFCO (全米飼料検査官協会) に認められたバランスのとれた栄養成分であり、更にこのフードは、AAFCOが提示しているフィーディングトライアルを実施しているフードです。フィーディングトライアルとは、被験者(犬や猫)にお試しでこのフードだけを食べさせて、ある程度の期間が経過してから、全く体調に問題がないかどうかを確認するテストです。

③長所と短所

どんなフードもなかなか完璧とは言えないのが現実です。特に病気があるワンちゃんのためのフードですから、食べてもらって病気を治してもらわなければ困ります。では、アミノペプチドフォーミュラの長所と短所はどんな部分でしょうか?

 長所

・大手の会社なのでフードの膨大なデータが管理されており、飼い主さんに対してのフォローがしっかりしています。
・共立製薬の過去のデータでは、嗜好性に関して、良い、普通、の合計で 95%。
・同様に、皮膚疾患のワンちゃんでは、改善、やや改善、の合計が 65%。
・消化器疾患のワンちゃんでは、改善、やや改善、の合計が 76%。

 短所

・価格が高いです。飼い主さんにとっての負担が大きく、症状が改善して治療の費用が安くなることと、薬剤を使わなくなる可能性があると考えれば、仕方ないことかもしれません。
・保存期間を考えて保存料(抗酸化剤など)が加えてあることに関しての懸念があります。
・穀類がメインであることが、限りなく肉食に近い雑食動物のワンちゃんにとって、消化は難しいと言う指摘があります。しかし、このフードは消化しやすい工夫がしてあります。

療法食アミノペプチドフォーミュラと他のロイヤルカナンの違い

この違いをご存知ですか?療法食と維持食。他の会社(ヒルズ、ノバルティス、など)でも療法食と維持食の2種類を販売していますが、”療法食”とは診断された病気の治療の為に与えるフードです。一方、維持食は総合栄養食品であり、健康を維持、あるいは病気の予防、と言ったことを目的としています。ですから、こちらは病気の子が食べても治療効果は無く、療法食は治療を目的としていますから、獣医師が診断した病気に対して与えられる”薬”のようなものです。

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例えば、飼い主さんが”うちの子はやたら痒みがある、アレルギーかもしれない!”と思って獣医師に診断なしで療法食のアミノペプチドフォーミュラを与えても、実は甲状腺機能低下症の痒みであれば効果がありません。

このように療法食は獣医師の診断と指示が必要です。

どのような犬におすすめなのか

獣医師の診断により、このフードをすすめられた場合にのみ使用する療法食であることを前提に、どのような症状(病気)のワンちゃんが食べることで症状が改善するかをお話します。

・食物アレルギーによる皮膚・消化器症状がある場合

先にお話したように、アレルギーの原因にならないタンパク質の小さな分子を原材料としているため、食べることで症状が改善する可能性があります。

・乳糖不耐症

特定の食物を食べると消化できずに下痢をする、などの免疫関与がない過敏症(非アレルギー型)のワンちゃんで、特に乳糖不耐症である場合、乳糖は不使用ですから問題ありません。

・炎症性腸疾患(IBD)

この病気では食べ物に含まれるタンパク質が腸管の免疫反応を呼び起こすことがあるので、このフードによりリスクが軽減します。

・膵外分泌不全(EPI)

膵臓から出る酵素が不十分である際に、タンパク質による負担を減らす目的で使用することがあります。

アミノペプチドフォーミュラに関する注意

ロイヤルカナンのフードの質が良い、悪い、が巷では話題になっていますが、治療を目的とした場合に、明らかに治療効果が出ている実績があるので、全否定することはできません。それは、薬剤を使って効果が出るのと同時に副作用が出るのと全く同じことです。
また、療法食を維持食と勘違いして食べさせると、体調が悪くなることも考えられます。決して飼い主さんの判断で療法食をスタートせず、獣医師の指示に従って下さい。また、療法食をスタートして症状が改善した場合でも、忘れずに定期検診を行いましょう。

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rihomeopath

筆者紹介 東京出身、獣医師、医学博士、人と動物のホメオパス、馬と牛の多いノルマンディーで、フランス人夫と田舎暮らしを始めたばかりです。

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