ワンちゃんが体を掻く頻度が、人間がたまに頭をポリポリ掻く程度ならば気になりませんが、その姿が何度も繰り返されると気になります。そして病院では、痒がっているワンちゃんの診察はとても多いです。ここでは、最も多く見られるその原因を紹介してみます。

犬が体を掻いてしまう主な理由

①ノミなどの外部寄生虫

これは外に出ることが多いワンちゃんの一番遭遇しやすい痒みの原因です。ノミは、気温が13℃以上、マダニは15℃以上になると活発になって来ます。昔は冬の気温はノミもダニもいなくなると思われていましたが、住宅事情が改善したので冬場は室内に危険が潜んでいます。毛の間に赤黒くポツポツとノミの”糞”が付着していたり、気がつくとパンパンに膨れたマダニが付着していたり、困ったことに飼い主さんにも被害が出ます。
ノミやマダニの寄生はその虫自体に刺されて痒いことだけではなく、その虫に対するアレルギーがある子には、二つの問題を振りかけることになります。また、マダニより小さな疥癬などは飼い主さんには肉眼でわかりづらく、常に掻いている姿に困惑してしまうと思います。
治療は駆虫薬や予防薬が存在していますが、必ず獣医師に診断してもらい、病院で薬を処方してもらって下さい。

②細菌類や真菌類(カビ)

皮膚は色々な菌が沢山付着しており、それらは常在菌と呼ばれます。皮膚の適切なバリア機能と体全体の免疫力によって、常在菌の中で特定の菌が増えすぎないようにバランスが取られています。しかし、とても幼いワンちゃんで免疫力が低かったり、何かの病気で体調が良くなかったり、ストレスがかかったり、衛生的に清潔でなかったり、といった原因から、皮膚のバリア機能が低下して特定の菌が増えてしまうことがあります。その結果、痒みが出たり、脱毛したりすることが多いです。痒みの為に掻き続けると、皮膚のダメージは更に大きくなることもあります。
治療は抗生物質や抗真菌剤を使います。

③アレルギー

近年は特にワンちゃんのアレルギー問題が獣医学界でも話題の中心になっています。それだけワンちゃんはアレルギーによる痒みと戦っているのです。
環境因子が問題になるものはアトピー性皮膚炎とも言われますが、生活環境にあるハウスダスト、草、花粉やタバコ、などが原因で痒みが出ることがあります。また、食物アレルギーの場合には、食べているフードの成分に反応して痒みが出たり、中には下痢や嘔吐が出るワンちゃんもいます。その他には、接触した物質など(例えば首輪の素材)により痒みが出たりすることもあります。
アレルギー性の痒みに関しても、引っ掻き傷からの二次感染が存在する可能性が高く、外耳炎を併発していることも多いです。
アレルギーの治療は、非常に根気がいると肝に命じなければなりません。アレルギーの原因になっているもの(アレルゲン)を検査して、食物や環境にその物質がないようにする努力を生涯続ける必要があります。

④内分泌系の病気

内分泌系の病気とはホルモンに関連している病気のことです。特に痒みが出る病気の代表は甲状腺機能低下症です。この病気は首にある甲状腺という元気を司る器官が”元気でなくなる”病気です。結果的に甲状腺から出る甲状腺ホルモンが少ない為、体の活力が低下して動きが鈍くなったり、見た目でも顔つきが元気でなくなり、皮膚は細菌性の皮膚炎を起こし、痒みと脱毛が目立つようになります。
治療は甲状腺ホルモンを補う形で行います。ホルモンの量が安定すると皮膚の状態も落ち着きます。

犬が体を掻いていた時の注意事項

ワンちゃんが体を我慢できずに掻いている理由のトップ4つを挙げてみましたが、どの場合にも必ず、”ずっと掻いていたことで皮膚がダメージを受ける”という二次的な問題が待っています。飼い主さんは、自分の子が掻いているのを見つけたら、まずは何があるのか確認をし、何も見つからなかった場合には、その後、2、3回続けて掻いている姿を見た時点で病院に連れて行くことを検討して下さい。大人は掻きすぎたら皮膚に良くないことを理解できていますし、小さなお子さんは親から”掻きすぎちゃダメ!触らないの!”と怒られたりして学びます。ところが、ワンちゃん達は、痒いと感じたらとことん掻いて傷を作ります。その痕を舐めたりもします。悪いことばかりが連なって行きますから、”様子を見ていた”や、”うちにあった薬をつけてみた”などの頑張りは止めて、ひどくなる前に早めに病院で原因を確認してもらいましょう。

rihomeopath

筆者紹介 東京出身、獣医師、医学博士、人と動物のホメオパス、馬と牛の多いノルマンディーで、フランス人夫と田舎暮らしを始めたばかりです。

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