ワンちゃんは、猫ちゃんと違ってトイレの問題は小さい時からしっかりと躾をしてあげなければなりません。しかし、躾したはずでも失敗することがあります。ここではいつもトイレ以外でもオシッコしてしまう、或いは今までちゃんとトイレでオシッコする習慣があり、特に問題がなかったのに急にあちこちでするようになった、そういった問題について考えてみたいと思います。
トイレ以外でしてしまうことは飼い主さんにとって嬉しくないことですが、ワンちゃんにとっては行動学的に当たり前の現象であることもあります。もちろん、何か別の理由(病気)がある場合も考えられます。体調が良好であれば対策を練らなければなりませんし、病気であれば原因をしっかりと解明して治療をしなければなりません。

犬のトイレ失敗の原因と対策①

健康でもオシッコをあちこちにしてしまう行動学的な原因には、以下のようなことがあります。

・躾問題:小さい時に躾をしたつもりでも、今ひとつ十分で無かったり、環境が変化してトイレが前と変わった、散歩の時間が変わったなどで戸惑っている可能性があります。
・興奮:ワンちゃんは人間と同じで嬉しかったりすると、ちょっとした”お漏らし”をしてしまいます。飼い主さんが帰宅して喜んでジャンプしたりした際には、膀胱のコントロールがきかずに、つい出てしまう、そんな場合があります。
・服従:ワンちゃんのお腹を見せて服従を示すポーズはよく知られていますが、お漏らしも服従を示します。飼い主さんや他の動物に対して”自分は目下です”と言っているわけです。
・恐怖:人間でも恐怖で”ちびりそう”などという表現がありますが、ワンちゃんにも全く同様な心理が当てはまります。
・分離不安:一人お留守番をさせられることに慣れていなかったりすると、ワンちゃんは群れを好みますから非常に不安になります。とりあえず”誰か来て!”と吠えてみても誰も来ないとなれば不安が募り、ウロウロしたり、粗相をして不安を紛らわしていることがあります。
・マーキング:ワンちゃんのテリトリーを示す行動として最も有名なものです。特にオスのワンちゃんでは、男性ホルモンの働きによって自分が群れのリーダーになろうという意識が出てきます。

これらの行動学的な問題の対策方法としては、第一に、普段からあまり甘やかさないことが重要になります。甘やかすことでワンちゃんの飼い主さんに対する依存が非常に強くなり、飼い主さんの姿を見て簡単に興奮したり、一人では不安になったり、と言った流れができてしまいます。また、去勢手術をすることで、マーキング問題は解決できる可能性が高いですが、手術の時期があまり遅いと癖が残ってしまうこともあります。

これらの問題対策には個体差がありますが、例えば”待て”などの指示を先に出して、すぐに行動に移らせないようにする(一瞬飼い主さんに言葉に注意をひかせる)ことで回避できることがあります。失敗しても決して怒らずに、根気よく、帰宅の際にはしゃいでいても冷静に対応をし、出かける時も素早く別れを告げる、足をあげようとしてもすぐに”待て”の指示を出す、といった態度をとってみましょう。

犬のトイレ失敗の原因と対策②

ワンちゃんの病気によっては、おしっこの回数が増えることで間に合わずに、あちこちでやってしまう、ということもあります。代表的な病気は以下の通りです。

・膀胱炎、尿路結石:これらの病気は、何回も小分けに排尿する(頻尿)ようになります。場合によっては、排尿態勢をとっていても何も出ていなかったり、血尿が出ていたりします。
・糖尿病:人間の病気でおなじみですが、血糖値が高く、尿に糖が出てしまうこの病気は非常に喉が渇き、頻尿になります。特に太っているワンちゃんは注意が必要です。
・腎不全:腎臓病とも言いますが、この病気もよくお水を飲んで頻尿になります。高齢になると発病するリスクが上がります。
・認知症:非常に高齢になると、人間の高齢者と同じように認知症によって、どこがトイレであるかなどがわからなくなってしまうことがあります。
・副腎機能:腎臓の上にある副腎の機能が亢進したり低下したりする病気があり、よくお水を飲んで、頻尿になります。

これらの病気は、ワンちゃんの病気として多く見られるもので、診断が下れば獣医師と二人三脚で治療を行うことになります。慢性的な病気が多いですから、飼い主さんの病気への理解が治療の一歩です。

犬のトイレ失敗に関しての注意事項

”おしっこをあちこちでする”という状態は、行動の問題だと思われる方が多いと思いますが、実は病気が隠れている可能性もあります。ですから、簡単にトイレの失敗と思って対処せずに、まず一度獣医師に相談して、行動学的な問題か病気かを診断してもらい、一緒に対処や治療をしていくことをおすすします。

rihomeopath

筆者紹介 東京出身、獣医師、医学博士、人と動物のホメオパス、馬と牛の多いノルマンディーで、フランス人夫と田舎暮らしを始めたばかりです。

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