インターネットが日常で簡単に使えるようになったことで、海外の商品でさえ、まるで近所のスーパーの広告を見ている感覚で選び、1週間後には手元に届く時代になりました。そのおかげで今や外国産ドッグフードさえ、遠い存在ではなくなりました。しかし、国が違えば法律も違う、ペットフードに関する基準も違うことは想像がつきます。ここで、実際にはどんな点が違うのか検討してみたいと思います。

日本のドッグフード(ペットフード)に対する法律

日本には”ペットフード安全法”があります。この法律ができた理由は、過去にアメリカでペットフードの有害物質混入により、多くのワンちゃんや猫ちゃんに被害が出た事件を受けて、フードの安全性に不安が高まったことによります。この法律の中には、ペットフードの製造基準、成分規格などについての説明があり、以下の2団体の規制を元に作られているので、基本的には欧米とは大きな違いはないように見られます。

AAFCO(全米飼料検査官協会):ペットフードの栄養基準やラベル表示などの基準を制定しているアメリカの団体で、AAFCO基準は世界的に取り入れられています。

FEDIAF(ヨーロッパペットフード産業同盟:ヨーロッパの団体であり、こちらの基準はAAFCOをベースにしています。

この基準を見れば、ヨーロッパは日本と同じと思いがちですが、FEDIAFの考え方は、もう一歩進んでペットフードそのものの捉え方が日本とは異なります。

欧州のドッグフードはヒューマングレード

ペットフード製造においては、日本もヨーロッパもアメリカのAAFCOを基準にしており、ベースラインとしては安全度に大差がないことがわかりました。しかし、日本ではペットフードは食品とは分類されておらず、そこにヨーロッパとは根本的な違いがあります。ヨーロッパでは、ペットフードも人間の食品も、同じ”食品”です。
”ヒューマングレード”という言葉を聞いたことがあると思いますが、これは人間が食べても健康に全く問題がないグレードの食材に関して使われます。ヨーロッパでは、以下のようなことが言われています。

 ”人間が食べられるグレードでない肉の加工品は人や動物の健康を害する一定のリスクがある。これらのグレードの肉は人間と動物の食品加工工程に呈してはいけない。”

簡単に言えば、人間が食べられる上質の物を動物にも与えましょうということになります。これは、以前に口蹄疫や狂牛病などの病気が流行したり、ダイオキシンの飼料混入事件の際に、動物飼料の肉の扱いが大きな社会問題になったことに起因します。特に狂牛病事件は日本でも、獣医師や農家の方を自殺に追い込むほどの大問題になりました。その事態を受けて、ヨーロッパでは動物の食の安全にもかなり慎重な姿勢を見せています。
非常に悲しい事件の結果ではありますが、そのお陰で動物の食問題を改めて考える良い機会になったのは事実です。
 日本のペットフードに関する規定には、原材料の質がヒューマンレベルであることとは記されてはいません。ですから、そうではないレベルの原材料が使われていることもあると考えられます。

日本と欧州のドッグフード、どちらを選ぶ?

日本はペットフードに対する意識が少し遅れていたこともあり、添加物や製造過程での厳密な管理が整備しきれていない部分があります。まだまだ法律は追いつかず、人間の食物レベルといった状況になっていません。一方、ヨーロッパでは人間の食物に対する規定と同様に添加物に関しても細かく管理されており、製造過程や栄養学の立場からの検査も厳しく、FEDIAFの規定書には明確に”人間の食品と同様に”と記載されています。ですから、ドッグフードが店頭に並ぶまでの過程に獣医師を含む専門家のチェックが常に入っています。
では、絶対に欧州のドッグフードが良いと断言できるかという問題ですが、値段や輸送時間もありますから、こればかりは飼い主さんの気持ち次第となるのは言うまでもありません。最近では、無添加、グレインフリー、オーガニック、原材料のこだわり、といったフードが日本でも沢山製造されています。これを機会に、フードの後ろに書いてある成分表などをじっくりと眺めて比較することをおすすめします。

rihomeopath

筆者紹介 東京出身、獣医師、医学博士、人と動物のホメオパス、馬と牛の多いノルマンディーで、フランス人夫と田舎暮らしを始めたばかりです。

病気になる前にドッグフードをチェック!!

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