飼い主さんご自身は健康診断をされていますか?会社の人間ドックが毎年あるから行っています、とおっしゃるならば安心ですが、今健康であると思っていても、症状が出ていないだけで、何かが密かに進んでいると思ったら怖いです。これはワンちゃんも全く同じで、しかも飼い主さんがわかる症状が出て来たら手遅れであることが多いです

ワンちゃんの寿命は人間よりもずっと短いことをご存知だと思いますが、その為に老化によるあちこちの問題が思ったよりも早く出て来ることも意識しなければいけません。
人間は中年期から少しずつ体の歪みが見えて来ますが、ワンちゃんもその頃から当然変化が現れて来ます。
健康診断で大事なことは、”去年はこうだったけれど、今年は変化があるのか?”と言うポイントです。中年期から老年期への移行の経過を見ていくことで、体調変化がどの方向へ向かっているか判断できます。ですから、元気そうに見える中年期の 5歳から 7歳(大型犬は小型犬より早く年をとるので注意)を目安に、毎年一度の何らかの形の(血液検査のみなどの)健康診断をおすすめします。また、9〜10歳を超えた頃には、半年に一度、或いは 1年以内に最低 2回程度の健康診断が必要と考えるべきでしょう。(後に説明します。)

犬の健康診断の内容

健康診断と一口に言っても、色々な種類があります。
多くの病院では、ワクチン接種の時に

 ①体重
②体温
③簡単な直接法で行う検便
④視診
⑤触診
⑥聴診

の項目を全て含めた健康診断が行われます。ルーチンに行われていますが、この時点で既に肥満、皮膚病、心雑音、などが発見されることが多いです。
このワクチン時に行う健康診断以外で行うものには、

 ①血液検査
②尿検査
③糞便検査(直接法と浮遊法の二段階)
④レントゲン検査
⑤エコー検査

があります。
それぞれの項目では以下の内容をチェックしています。

①血液検査:赤血球、白血球、血小板の数や、貧血の有無を確認する一般検査と、血液生化学と言って、体の中の器官(腎臓、肝臓、膵臓、甲状腺、など)の働きや血糖値やコレステロールなどの値を見る検査があります。

②尿検査:尿の性状の検査で、結石、細胞、細菌類などの有無や腎臓の働きを確認します。

③糞便検査:糞便に出て来るような寄生虫や寄生虫の卵を検査します。

④胸部と腹部のレントゲン検査:心臓を始めとする内臓の異常の有無を検査します。

⑤エコー検査:レントゲンからさらに一歩進んで、実際に動いている臓器や臓器の構造の細かい部分まで確認していきます。

これらの検査は、病院によって様々な組み合わせを作っており、年齢に合わせて検査項目も変わって来ると思います。
一般的には、比較的若い年齢のワンちゃん(7、8歳まで)でしたら、必要最低限である血液検査と尿検査をおすすめします。この血液検査の項目に関しても、おそらく病院で設定している簡易型のもの(腎臓、肝臓、血糖値、など10項目程度)と、高齢犬によくある病気のチェックを含めた詳しい検査付きのものがあります。

犬の健康診断の選択方法

検査にあたっては、費用や項目で何を優先すべきかわからない場合があり、病院でも聞きづらいと思いますので、どのように選択すればよいかの目安と頻度について説明します。

費用:検査は費用がかかる、これが一番ネックだと思われる方が殆どだと思います。ですから、まずは費用が安いキャンペーンなどのハガキ(病院から送られて来る)を確認しましょう。例えば、フィラリアの血液検査の時に同時にお願いすると安くなるセット、秋の健康診断キャンペーンのセット、冬の健康診断、ドッグドックキャンペーン、などが時期によって行われることが多いです。これらを利用すると、普段よりもずっと安い値段で特別な検査ができることもあります。検査の質は変わらず値段が安いのですから、是非、有効に利用しましょう。

費用の例(都内)

①血液検査(血球成分などの一般検査と血液生化学検査最低項目):5,000円前後
②血液検査(甲状腺などの精密検査も含めたもの):10,000円前後
③血液検査(①の項目程度)とレントゲン(胸部・腹部計4枚)検査:20,000円前後
④血液検査(①の項目程度)、レントゲン(胸部・腹部計4枚)検査、エコー検査:25,000円〜

この中に尿検査、糞便検査を含めてセットとしている病院が多いと思います。しかし、先に述べたように、必ず病院ではキャンペーンなどを企画して、飼い主さんが検査をしやすいように工夫してくれていますから、費用に関しては変動が多く、あくまでも目安として全ての検査を含めて30,000円を超えるとすれば、少し高いと思って下さい。また、地方の病院では設定値段が例に出したものより一般的に安いと考えて下さい。

検査項目:年齢が高齢になる程病気の確率が高くなるので、検査項目が多ければ多いほど安心です。9、10歳になって来たら、血液検査にプラスしてレントゲンは考慮に入れた方がよいでしょう。費用に余裕があれば、エコー検査もおすすめします。

頻度:レントゲンやエコーの検査はストレスがかなりかかります。連れて行く飼い主さんもクタクタになるのは明らかですから、全部含めたドッグドック的なものは高齢になったら1年に一度、それ以外の採血のみで済む血液検査は、正常値でも少し高めに出た数字があるとすれば、半年程度(1年より確実に短い期間)に一度確認をすべきだと思います。

以上を参考にして、費用、項目、頻度、全てを考えて都合の良い形で検査を行って下さい。体調が悪くなる前に発見できれば、治療も楽で回復も早いです。

rihomeopath

筆者紹介 東京出身、獣医師、医学博士、人と動物のホメオパス、馬と牛の多いノルマンディーで、フランス人夫と田舎暮らしを始めたばかりです。

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