高齢犬とは、明らかに若いワンちゃん達とは違ったケアをしなければいけません。例えば、高齢になれば病気になりやすく、①関節炎②歯周病③下痢や便秘④心臓病⑤腎臓病、と挙げて行けばキリがありません。そしてワンちゃんの老化は、人間よりもはるかに早く訪れます。

ワンちゃんの高齢と言われる年齢は、大型犬や小型犬では少し開きがあり、超大型犬は6歳頃から、小型犬では9歳頃からとされます。

ワンちゃんが高齢になって、今まで通りに動けなくなると介護が必要になって来ますが、果たしてどのようなことが必要なのか、その概要を説明したいと思います。

高齢犬に必要な介護

高齢犬で介護が必要になる理由として挙げられるものは、

①自力歩行ができない

②排尿・排泄

③食餌

④寝たきり

⑤認知症

などです。ワンちゃんによって、また住んでいる環境によって、問題は異なると思いますが、一般的な介護とは以下のようになります。

高齢犬の介護

①自力歩行ができない場合

関節炎などで歩行がだんだん辛くなって来た場合には、まず無理をさせずに一回の散歩時間や距離を減らすことからスタートします。また、運動を減らすことで体重が増加し、かえって負担が増える可能性もあるので、食餌には注意しなければなりません。

ハーネスや補助器具などを使って支えてあげれば少しでも歩けるワンちゃんにとって、一日に数分でも気分転換に外をお散歩することは、血液の循環も良くなり、軽い運動によって体重増加を防ぐこともでき、プラスのことが沢山あります。寒い日などの天候が悪い日は無理に出さずに、自宅でゆっくりとマッサージをしてあげたり、屋内をハーネスの補助とともに軽く歩かせるのもよいでしょう。その際には、フローリングを歩かせない、或いは滑り止めのついたソックスを履かせたりすることで負担を軽くすることができます。

ワンちゃんにとって自分が歩けないという現実がストレスにならないように、今までと同じように外に少しでも出て太陽に当たることを意識して下さい。

②排尿・排泄

高齢になって、あちこちで失敗をしてしまうようになった場合は、まず先に、そのような症状が出る病気がないかを獣医師が確認する必要があります。

老化現象である場合には、足腰が痛んでトイレに間に合わない、筋肉の衰えから漏れてしまう、或いは場所がどこだかわからなくなっている、などの可能性もあります。足腰や筋肉の問題であれば、なるべくあちこち歩けないようにサークルをして、生活空間を狭めておきましょう。場所がわからなくなっている場合には、おしっこのニオイをつけたシーツを置いておくのも一つの方法です。

どちらの場合も失敗は怒らずに、老化現象と理解して多めにシーツを置いておく、或いはオムツを検討することも、決して悪いことではありません。大事なことは、飼い主さんとワンちゃんにストレスが溜まらない工夫をすることです。オムツは、オムツかぶれなどの問題が出やすいですから、まめに交換することと、普段からお尻や陰部の拭き取りはしっかり行なって下さい。

自力で排尿や排便ができない場合は、飼い主さんの介護が非常に大変になって来ます。様々な介護の方法がありますが、ワンちゃんの状態にもよるので、獣医師に直接指導を受けることをおすすめします。

③食餌問題

今までは食欲もあって元気でいたけれど、年齢とともに食欲も落ちて来た、ということはよくあることです。しかし、老化現象で食欲が落ちていたり、さらに体重も確実に減って来ている場合には、病気の可能性も十分ありますから確認が必要です。

食餌の介護で注意しなければいけないことは、食べやすい物であるかということです。歯周病がひどい、かむ力も弱っている、などの場合には柔らかいものや流動食を選んであげましょう。

寝たきりになっているワンちゃんに食餌をあげる時には、必ず頭をあげて、なるべく自然に近い形の体勢を取らせてあげて下さい。仰向けだったり、横向けになって無理に食べさせて誤嚥してしまうと大変なことになります。

④寝たきり

おそらく高齢者の話題が非常に多く、寝たきりという言葉も耳にしてイメージが湧くとは思いますが、実際に寝たきりのワンちゃんを目の当たりにして驚くことは、床ずれ問題だと思います。どんなに体重が軽い子でも、必ずと言ってよい程床ずれは出来てしまいます。床ずれの原因は、同じ姿勢でいると重力によって皮膚や筋肉は押しつぶされて血行障害を起こし、押しつぶされた場所は壊死を起こしてしまうのです。

床ずれを起こしやすい場所は、骨ばって出ている場所が多く、例えば肩や腰、肘、踵、などが挙げられます。柔らかいクッションを使い、常に体位を変えることが必要です。体位を変える際には必ず皮膚の状態をチェックして下さい。皮膚が赤くなっているなどの床ずれになりそうなサインがあれば、直ちに獣医師の相談をしましょう。

⑤認知症

認知症にはトイレの失敗、夜泣きで困る、徘徊をする、攻撃的になる、など、問題は様々で、実は対処法もワンちゃんと飼い主さんの状況によって変わって来ます。しかし、最初に明確にしておかなければいけないことは、認知症だという診断です。どこか痛いところを触って攻撃的になったのではないか、などは確認の必要があります。

認知症であることが明らかになったら、飼い主さんのワンちゃんに対する受け入れ方を少し変えてみましょう。言うことを聞かなくなったのは年をとったからだ、トイレができないのは仕方ない、という姿勢が大切です。そして、放置をするのではなく、獣医師に相談して対処法を一緒に考えてもらいましょう。

高齢犬の介護に対する心得

困った時は専門家に相談をすることが大切です。専門家と話すことで知らなかった器具を購入して介護が楽になったり、知らなかったやり方を学ぶことでワンちゃんと飼い主さんのお互いのストレスが減ることもあります。無理をせずに頼ることも時には必要です。

rihomeopath

筆者紹介 東京出身、獣医師、医学博士、人と動物のホメオパス、馬と牛の多いノルマンディーで、フランス人夫と田舎暮らしを始めたばかりです。

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