愛犬が、色々なものを噛んでしまって困っている…そんな声をよく聞くことがあります。多くの場合、子犬の時からの噛み癖が原因なのですが、噛み癖をそのままにしておくと、後々困ることがたくさんあるんです。できればなおしたい噛み癖、一体どうすればなおすことができるのでしょうか。
なぜ噛むのかを考えよう
犬が、何かを【噛む】という行為には、必ず理由があります。まず、愛犬がなぜ噛むのかについて考えましょう。多くの場合、以下の要因が考えられます。
生後6か月頃になると、乳歯から永久歯に生え変わります。この時期になると、生え変わりの関係で歯が痒くなり、何かを噛んでそのかゆみを抑えようとします。
何かに興奮したり、ストレスを感じると、噛むことでその欲求を満たそうとします。また、犬はかつて、狩りをして生活をしていました。その名残は今でも残っているため、危険を感じると自らを守るために噛むことがあります。
動くもの=おもちゃと認識してしまうことがあるため、本来噛んではいけないものも噛んでしまうことがあります。
これらの理由から、犬は噛むことにより気持ちを落ち着かせているのです。つまり、犬にとって【噛む】という行為は自然なことであり、噛むこと自体に大きな問題はないのです。
噛み癖をそのままにするとどうなるのか
噛むこと自体に問題はありませんが、犬は私たち人間社会の中で生活をしています。そのため、噛むものを間違えるとそれは犬の問題行動に繋がり、しつけをしてなおす必要があるのです。多くの場合、子犬期からの延長で噛み癖ができてしまっていることが多いのですが、噛み癖をそのままにしてしまうと、以下のような問題が生じてきます。
■他人に対して敵意や危険を感じると噛む
■自己防衛のために噛む
■家具などを噛む
■洋服などの布を噛む
このように、噛み癖を放置してしまうと、犬は何か気に入らないことがあるとすぐに噛むようになってしまいます。これは、犬と人間(飼い主)との信頼関係が築けていないという証でもあり、リーダーが飼い主ではなく犬ということにも繋がります。
噛み癖をなくすためには
それでは、噛み癖はどうしたらなおるのでしょうか。ここでは、噛み癖をなおすための方法をいくつか紹介していくので、愛犬にあったなおし方を実践してみて下さい。
犬専用のおもちゃが色々と販売されているので、噛んでもいいおもちゃを愛犬に与えましょう。ただし、1つや2つ買っただけでは成功しないことが多いです。10種類以上のおもちゃを買って、その中で愛犬に合うおもちゃが1つか2つあればいいと言われているので、根気よくおもちゃ選びをしましょう。
愛犬がまだ子犬であれば、甘噛みをしてきたらすぐに遊びを中断するようにしましょう。甘噛みを放置してしまうと、それが癖になり噛み癖へと繋がります。
愛犬が噛んできたら、無言で部屋を立ち去る・扉を閉めるなどして犬をひとりぼっちにさせます。犬は、群れをつくって生活をする生き物なので、ひとりになることが嫌いです。そのため、噛んできたらそのたびに無視をして愛犬をひとりにさせると効果的です。
最近では、犬の噛み癖防止のためのスプレーが販売されています。噛んでほしくない家具などにスプレーすることにより、犬が嫌がって噛まなくなるというしくみです。
関連:アマゾン販売ページ
噛み癖をなおすしつけは、一度や二度実践しただけではなおりません。ただ、ここで諦めてしまうといつまで経っても噛み癖はなおりません。そのため、根気強くしつけを行う必要があります。また、愛犬が噛まなくなったら、ご褒美のおやつをあげるなどして、【噛まなければ良いものをくれる】と覚えさせることも大切です。そうすれば、愛犬の噛み癖もなくなり、飼い主との良い信頼関係も築くことができます。
動物看護士として働く傍ら、人間と犬がもっと楽しくお互いが幸せに暮らせるように、医療に限らず犬の食・法律・暮らしについて日々勉強しています。