ドクターズケアは、食物アレルギーや体重管理など、ドッグフードによるメンテナンスを行う療法食です。
市販のドッグフードと比べると高価ですが、症状の緩和が期待できるので、ファンも多いです。
1目でわかるこの記事の内容!
ドクターズケアの原材料と成分分析
まずは、以下の原材料と成分一覧をご覧ください。
・原材料
コーンスターチ、ポテトプロテイン、植物性油脂、セルロース、フラクトオリゴ糖、ポテトエキス、アミノ酸類(アルギニン、メチオニン、フェニルアラニン、リジン、ヒスチジン、トリプトファン、イソロイシン、ロイシン、バリン、スレオニン、アラニン、グリシン、タウリン)、ビタミン類(ビタミンA、ビタミンD3、ビタミンE、ビタミンK3、ビタミンB1、ビタミンB2、パントテン酸カルシウム、ナイアシン、ビタミンB6、葉酸、ビオチン、ビタミンC、ビタミンB12、塩化コリン、イノシトール)、ミネラル類(炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、リン酸カリウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、酸化マグネシウム、鉄アミノ酸複合体、硫酸鉄、亜鉛アミノ酸複合体、炭酸亜鉛、マンガンアミノ酸複合体、炭酸マンガン、銅アミノ酸複合体、硫酸銅、ヨウ素酸カルシウム、硫酸コバルト)、酸化防止剤(ローズマリー抽出物)
たんぱく質22.0%以上、脂質14.0%以上、粗繊維7.5%以下、粗灰分10.0%以下、水分10.0%以下、カルシウム1.0%以上、リン0.8%以上、ナトリウム0.3%以上、リノール酸1.0%以上、代謝エネルギー 384kcal/100g
以上は、「ドクターズケア 犬用 アミノプロテクトケア ドライ」を参考にしています。
アレルギーは、対象となる物質の分解が上手にできないため、症状があらわれます。
それを考慮し、ドクターズケアではコーンスターチ(トウモロコシを細かく砕いたもの。トウモロコシのデンプン。)を使用しています。
また他の原料には、主にトウモロコシの外皮に含まれる食物繊維が原料となっているセルロースを使用しています。
セルロースは消化・吸収が難しく、腸内に刺激を与えます。
しかし、この効果により有害物質を吸着し、便秘を予防したり、大腸がんを防止したりすることができます。
その一方、少し気になる点もあるのでご紹介します。
ポテトプロテインとは、ジャガイモからデンプンを取り出す際に発生する廃液(不要な液体)に含まれるたんぱく質を濃縮したものです。
たんぱく質としての利用価値は低く、体脂肪の蓄積を促進する可能性があるといわれています。
ドクターズケアの評判・口コミ
たまたま受けた尿検査で、pH8、ストルバイト結晶を確認。
慌ててフードを探すも、ほとんどのpHコントロール食には避けたいアレルゲンが入っていました。
それでも結石が出来るよりは。。。と、先生と相談して、
完全に陽性でなく要注意の食材、小麦粉・米・チキン・トウモロコシが入っているこちらを試しました。
2週間でpH6~7に落ちました!結晶もなし!
あとは、今のところ反応がない、アレルギー症状が出ないことを祈るのみです。
ドクターズケア (Dr’s CARE) 療法食 ストルバイトケア
食物アレルギーで全身掻き壊し、ゆるい便や血便が出るようになりました。獣医指導のもと様々なフードを経てこちらのフードに落ち着きました。抗アレルギー系のフードは外国産が多く嫌でした。こちらは国産品です。便の形状が硬すぎて…とどこかのレビューで見ましたが、確かに便は硬くて黒くてギュっとしています。排便時に若干辛そうにも見えますが便秘などにはならず、コロンとした便でお掃除が楽です。本人(本犬?)は美味しいようで毎食喜んで食べています。
ドクターズケア (Dr’s CARE) 療法食 アミノプロテクトケア
心臓病のご飯なので、食べてくれるかどうか心配でした。ロイヤルカナンの準療養食から変えましたが、問題なく食べてくれました。同居している猫がこのご飯が食べたいと寄って来るので、匂い、味はいいのだと思います。小粒なので、小型犬でも食べやすいし、心臓病で気管が狭くなっているワンちゃんにはいいと思います。これからも、この商品にしようと思います。
アマゾンより引用
ドクターズケアの良い点悪い点
以下では、ドクターズケアの良い点悪い点をご紹介します。
ドクターズケアでは、フラクトオリゴ糖を使用し、腸内環境を整えてくれます。
またセルロースを利用し、お腹の中に残った毒素などのアレルギーの原因をうんちと一緒に体外へ排出することができます。
原材料を見る限り、原料はトウモロコシとポテトとサプリメント(栄養成分のこと)の3つを中心に製造しています。(「ドクターズケア 犬用 アミノプロテクトケア ドライ」の場合)
おそらく、たんぱく質にアレルギー反応を起こす子を対象にしているのでしょう。
しかし、このようなフードを食べ続けているのは、犬にとって健康的とは言い難いので、注意が必要です。
ドクターズケアを食べない子がいるのはどうして?
ドクターズケアに使われている主な食材は、コーンスターチとポテトプロテインです。(「ドクターズケア 犬用 アミノプロテクトケア ドライ」の場合)
肉の匂いを好む犬にとって、これでは物足りないのでしょう。
トウモロコシやポテトが好物の子でしたら喜んで食べるのでしょうが、そのような子は少数派です。
この場合、フードを加熱し、匂いを引き立たせると、食べる場合があります。
ドクターズケアは健康管理をしている子を対象としているため、ふりかけや鶏肉など、フード以外の食品を添えるのは控えましょう。
ドクターズケアは果たしておすすめ?総合評価は?
口コミでは、ドクターズケアにフードを切り替えてから症状が緩和された、と喜びの口コミが多く書き込まれているので、良いのでしょう。
しかし、あまり長い期間、食べさせ続けることはオススメできません。
私は、栄養は天然の食材から摂取することが良いという考えなので、添加された栄養素ばかりを与えるのではなく、原因となっている対象を突き止め、改善していく策を獣医師と一緒に見つけ出すことをオススメします。
最近では、ペットのセカンドオピニオンも多くなってきているので、納得いく治療が受けられない場合は、他の動物病院へ行ってみるのもいいでしょう。
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2014年、ペット業に就く。
わんちゃん、ねこちゃんと触れ合う中で、多くの飼い主さんの悩みがフードにあることを知り、わんちゃん・ねこちゃんの身体に負担をかけないペットフードを多くの飼い主さんに知ってもらうため奮闘中。
エランコ・療法食ドクターズケアシリーズについてより詳しく獣医師がさらに追記
いきなりエランコという名前を聞いても、一般のペットショップでは見かけないブランドなので、飼い主さんには馴染みがないかもしれません。
エランコはスイスの製薬会社ノバルティスファーマ、ノバルティス・アニマルヘルス部門を買収して現在に至ります。この会社の療法食ドクターズケアシリーズは、病気の治療を目的としており、獣医師の指導無しに購入することはできません。間違った療法食を食べると健康体には有害な可能性があります。このフードの特徴な、何と言っても国産のであることから、特に国産に拘る患畜の飼い主さんには受け入れやすい療法食です。
現在は、以下の7種類の療法食が販売されています。
・アミノプロテクトケア(えんどう豆)
・ストルバイトケア
・ウエイト&ジョイントケア
・キドニーケア
・ストマックケア
・ハートケア
フードの特徴
・アミノプロテクトケア
食物アレルギーによる皮膚や消化器症状のあるワンちゃんの為のフードで、動物タンパクではなく、タンパク質はポテトに限定されており、アレルギーが起こりにくいように配慮されています。また子犬にも与えることができます。
・アミノプロテクトケア(えんどう豆)
アミノプロテクトケアのポテトをえんどう豆に置き換えたフードで、こちらも食物アレルギーのワンちゃんに適しています。
・ストルバイトケア
ストルバイト尿石症のワンちゃんに為のフードで、マグネシウム・リンが制限されており、尿のpHをpH6.1~6.4に調整しています。
・ウエイト&ジョイントケア
低カロリー・低脂肪のフードで、減量が必要なワンちゃんや関節炎で太らせてはいけないワンちゃんの体重管理に適しています。特に関節の健康維持の為、グルコサミン、コンドロイチン、コラーゲン入りです。
・キドニーケア
慢性腎臓病のワンちゃんの為のフードで、リン、たんぱく質、ナトリウムの含有量が制限されています。
・ストマックケア
胃の消化速度に注目したフードで、消化性に優れており、子犬や成犬のお腹が弱い子や嘔吐がある子、脂質制限をしていることで、膵臓の健康維持にも効果的です。
・ハートケア
慢性心臓病のワンちゃんの為のフードで、ナトリウムが調整されています。腎前性腎不全も考慮してリンが制限されており、高齢のワンちゃんにも嬉しい関節の健康維持に欠かせないグルコサミン入りです。
成分分析
7種類のフードの主成分と成分分析(100g中)を確認してみましょう。
・アミノプロテクトケア
原材料:コーンスターチ、ポテトプロテイン。
成分分析
・アミノプロテクトケア(えんどう豆)
原材料:コーンスターチ、えんどう豆たんぱく、植物性油脂、加水分解チキンレバーパウダー、など。
成分分析
・ストルバイトケア(尿路結石症)
原材料:トウモロコシ、米、動物性油脂、チキンミール、全卵粉末、など。
成分分析
・ウエイト&ジョイントケア(減量と関節炎)
原材料:トウモロコシ、ミートミール、おから、ライスプラン、セルロース、脱脂大豆、など。
成分分析
更に、関節にグルコサミン 1.333mg/kg、コンドロイチン硫酸塩 1.013mg/kg、脂肪燃焼に、L-カルニチンフマル酸塩 286mg/kg 配合。
・キドニーケア(腎不全)
原材料:トウモロコシ、おから、動物性油脂、米、フィシュオイルパウダー、ミートミール、など。
成分分析
・ストマックケア(胃腸炎)
原材料:米粉、米、フィッシュミール、小麦粉、ライスブラン、など。
成分分析
・ハートケア(心臓病)
原材料:トウモロコシ、ミートミール、動物性油脂、脱脂大豆、米粉、おから、など。
成分分析
更に、グルコサミン 490mg/kg、L-カルニチンフマル酸塩 854mg/kgを配合。
③長所と短所
全ての療法食に共通する長所と短所の一番明確なポイントは以下の点です。
長所
・病気の治療ができる。
・食べることで、病気によっては治療薬が必要なくなり、体の負担が減る。
・製薬会社や大手の信頼できる会社が製造している。
短所
・値段が高めである。
・フレーバーが単一化されやすく、フードに飽きる、或いは初めから食べない場合もある。
どのような犬におすすめなのか
以下に、どのような病気の場合にこれらの療法食が必要であるかをまとめます。
・アミノプロテクトケア:食物アレルギー
・アミノプロテクトケア(えんどう豆):食物アレルギー
・ストルバイトケア:ストルバイト結石の尿路結石症
・ウエイト&ジョイントケア:減量と関節炎
・キドニーケア:腎不全
・ストマックケア:下痢などの胃腸炎
・ハートケア:心臓病
療法食ドクターズケアシリーズに関する注意
中にはドクターズケアシリーズを使わない獣医師もいますが、基本的にはどの会社の療法食も治療成績は素晴らしいと言えます。問題は、ワンちゃんが食べてくれるかどうか、という点にありますから、食べない場合には必ず獣医師に相談をして、他の会社の療法食を選んで貰いましょう。
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rihomeopath
筆者紹介 東京出身、獣医師、医学博士、ニューヨークで人と動物のホメオパシーを4年間学び、日本では小動物臨床を10年ほど経験。馬と牛の多いノルマンディーで、フランス人夫と田舎暮らし中。