ワンちゃんが自分の足をなめている姿はよく見かけますが、かわいいですよね。飼い主さんなら、迷わずスマフォで連写したくなるでしょう。1日のうちで1、2回見かけても、さほど気になりません。お散歩から帰って来て、たまたま泥や何かがくっついていたりして、違和感を感じたらなめて拭き取るのは普通にある光景です。人間ならば手で拭い去る行動と同じと考えられます。
しかし、なめている姿が何度も見られるとしたら気になります。単なる仕草なのか、それとも問題がそこにあるのか、と迷います。気がついたら真っ赤に腫れ上がっていた、となるとただ事ではありません。

犬が足をなめる理由

飼い主さんが気になる程なめる理由には二種類あります。一つは、明らかに原因がそこに存在している場合、もう一つは、明らかな原因は足には見当たらない精神的な場合です。

原因が明らかな場合

ワンちゃんは人間のように手を器用に使いこなすことはできません。四肢に違和感を感じた場合は、まずはなめることから始めます。その違和感を感じる理由には以下のようなものが考えられます。

①限定された足の限定された場所である場合:局所的に特別な原因があります。例えば、痛みがある、かゆみがある、腫瘍がある、などです。
痛みやかゆみの原因で多いのは、傷がある、何かを踏んづけて刺さっている、虫に刺された、真菌(かび)や細菌感染、などが考えられます。
腫瘍は違和感を感じてなめ続けると、なめ壊して出血し、二次感染を起こす、などの悪循環になることさえあります。

②全ての足の先端をなめている場合:どの足の先も被毛の色が変わって、真っ赤に腫れてしまうほど常になめている場合は、かゆみによるアレルギー性皮膚炎が考えられます。

 原因が不明な場合

ワンちゃんは鬱にもなるぐらいとてもデリケートな部分があります。留守番の時間が多い、遊びの時間が少ない、家族の雰囲気が悪い、退屈している、などが理由で”なめると気が楽になる”というワンちゃんはかなり多いです。そして、なめ過ぎて赤く腫れ上がっている状態をよく見かけます。
また、リラックスをしている時にも足をなめることがありますが、これは極端になめ続ける程ではありません。

犬の足なめに対する診断と治療

 痛みがある場合

傷による痛みや異物が刺さっている場合などには、その状態により抗生物質や鎮痛剤を服用となります。
傷が見られない場合には、場所がどこか明らかでなくても、触ると嫌がることがあり、飼い主さんを威嚇したり、びっこを引いたりすることで痛みがあることに気づくこともあります。レントゲンで骨などの異常をチェックし、鎮痛剤などが必要になります。

 かゆみがある場合

かゆみがある場合は触れると嫌がることはあまり見られず、皮膚検査がメインとなります。また、アレルギーが疑われるような全ての足をなめる場合には、アレルギー検査を検討する必要もあります。検査結果に応じて内服薬を服用することになります。

 腫瘍の場合

細胞診と言って、腫瘍に針を刺して細胞を取って検査を行います。多くの場合、腫瘍の検査は専門の病理検査センターに依頼するので、結果が出るまでに時間がかかります。その間は、症状に応じての一時的な治療を行う場合が多いです。

 精神的な場合

この場合はすぐに精神的と判断はできませんから、一通り考えられる原因を確認していきます。飼い主さんから普段の生活環境を教えて頂き、痛みではない、かゆみでもない、腫瘍もない、他に理由が見当たらない、となるとワンちゃんの精神的な問題という可能性が出てきます。治療は、飼い主さんの愛情が全てです。遊ぶ時間を増やしてあげたり、スキンシップを常にしてあげたり、留守の時間を減らしたり、おもちゃを買い与えたり、という工夫をしてあげてください。

 

犬の足なめ注意事項

全ての”なめる問題”に対してよく使われるエリザベスカラーは、多くの飼い主さんに不評です。確かにラッパのようなカラーをしている姿はかわいそうです。しかし、物理的になめるのを防ぐには必要です。ご飯やお散歩で気が紛れている場合は外してもよいですが、留守にしたりする場合にはどうしてもしなければなりません。ただし、いつも例外はありますから、かかりつけの獣医師の指示に絶対に従って治療に励んで下さい。
”なめているだけ”と思っていても、なめ過ぎた結果、腫れ上がって腫瘍と間違えられるぐらいにしてしまうワンちゃんもいます。1日に足なめを数回見かけた時点で、足を確認してみましょう。おかしいと気づいたら、急いで受診して下さい。ワンちゃん達はすぐに”やり過ぎ”になりやすいのです。

rihomeopath
筆者紹介 東京出身、獣医師、医学博士、人と動物のホメオパス、馬と牛の多いノルマンディーで、フランス人夫と田舎暮らしを始めたばかりです。

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