ワンちゃんをブラッシングしていてあずき粒より大きなダニを見つけてびっくり、病院に慌てて飛び込む、そんな経験はありませんか?ワンちゃんはお散歩の時に茂みに入り込んだりして、予防薬の滴下や服用をしていないとダニをくっつけて帰って来てしまいます。では、このダニとは何者なのでしょうか?

ワンちゃんの体に寄生するダニの仲間は沢山います。例えば、ニキビダニミミダニツメダニ疥癬、そしてマダニ、聞いているだけでもゾクゾクしてしまいますが、自然環境の中にはワンちゃんに寄生するダニが蠢いているのです。特に、ワンちゃんの血液を吸ってパンパンに大きくなったメスのマダニは、どこかで産卵をしているかもしれません。

さて、春や秋の行楽シーズンになると特に問題になるのが、この8本脚(クモの仲間)からなる”マダニ”です。ほんの数ミリの大きさで、慣れていない人には見つけにくいですが、血液を吸った後は小指の先ぐらいまで膨れ上がったりします。
マダニの栄養源は動物の血液のみで幼虫から成虫まで吸血しますが、吸血をする時に同時にワンちゃんに別の寄生虫などを移します。そして重症な例になると、全身ダニだらけのとうもろこしのような姿になってしまい、貧血を起こし、輸血をが必要なこともあります。

犬のダニ対策の必要性

ダニを駆除するのは何故かを考えてみると、もちろん、”気持ち悪いから”ではありません。ダニがいることで、以下のような二次的な問題が起こるからなのです。

バベシア:ダニからうつる寄生虫の仲間(原虫類)です。赤血球にくっついて生活をしており、貧血の原因になります。一度感染すると、完全駆虫は難しい寄生虫です。

ダニアレルギー:ダニが寄生することでアレルギーを起こして全身にかゆみや赤く発疹が出たりすることがあります。

エールリヒア症:リケッチアの仲間で、人間や動物の細胞の中で増殖します。ワンちゃんがダニを介して感染すると発熱したり、リンパ節が腫れたり、肝臓が腫れたり、様々な症状が出ます。

日本紅斑熱:ワンちゃんでは症状に関しては不明ですが、人間がダニを介してこの病気の原因であるリケッチアに感染すると、発熱、頭痛、悪寒、などの他に発疹が全身に見られます。関東より西に多いとされています。

ライム病:ボレリアという細菌がダニを介してワンちゃんに感染すると、あまり症状が見られませんが、人間の場合には発熱や紅斑ができたり、関節炎などの症状が出ます。

SFTS:人間の重症熱性血小板減少症候群という病気の原因ウイルスがダニによって人間にうつることがわかりました。発熱や下痢、嘔吐、筋肉痛、など様々な症状が出て、場合によっては亡くなることもあります。

*リケッチア=病気を引き起こす謎の生物。ダニ等の節足動物を媒介とし、ヒトに発疹チフスあるいは各種リケッチア症を引き起こす。ウイルスと同じように細胞外で増殖できない。偏性細胞内寄生体とも呼ばれる。

これらの感染症は、ワンちゃんと飼い主さんにとって非常に危険ですから、ダニ対策はしっかり行わなければなりません。
また、ワンちゃんの皮膚にダニが寄生しているのを発見したら無理に取らず、獣医師に診せて除去してもらいましょう。1匹だけではないかもしれないので、その確認と予防もしてもらえます。

犬のダニ対策

ダニは季節によって多くなったり少なくなったりすることもありますが、基本的には一年中感染するリスクがあることをしっかり頭に入れておきましょう。それを理解した上で、以下のようにケアをしてみることをおすすめします。

①草むらなどに入らない。
ダニはそこで待っていますから、できるだけ避けるようにしましょう。

②洋服を着せる。
人間もワンちゃんも長袖などを着せるのは効果があります。

③茂みが近い住宅街では外に繋がない。
ダニはいつでもワンちゃんを待っていますから、ダニがいそうな場所がご近所にある場合は、外に繋いでおくのは避けましょう。

③予防薬を使う。
完璧なケアは、実はこれしかありません。動物病院で処方してもらう”動物医薬品”である予防薬を使うことが一番効果があります。さらに、上記の3つと組み合わせて行うことで一層、効果が期待できます。

沖縄などのダニ発生がひどい場所でも、これらを組み合わせ、外やベランダにワンちゃんを繋がないことで被害を減らせます。しかし、ダニとは一生のお付き合いですから、常に目を光らせておかなければなりません。

犬のダニ予防薬

動物病院で処方してもらうダニ予防薬は、沢山の種類が出ています。フィラリア予防と一緒になった食べるタイプや、ノミ・ダニ用の滴下タイプのフォートレオンやフロントライン(フォートレオンはダニに対しての効果がより高い印象があります)など、その子に合ったタイプを獣医師と相談しながら使いましょう。地域によってダニの発生度が著しく異なり、都内ではこれで十分、と言われているものが都下や地方の場合には必ずしも十分でないことがあります。必ず、地元の状況を熟知しており、ワンちゃんの体調を普段からチェックしている獣医師のアドバイスを聞くようにしてください。

rihomeopath

筆者紹介 東京出身、獣医師、医学博士、人と動物のホメオパス、馬と牛の多いノルマンディーで、フランス人夫と田舎暮らしを始めたばかりです。

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