ペットショップに行くと数えきれないくらいの種類のドッグフードを見かけます。ドッグフードにはさまざまな効果をうたったものがありますが、果たして本当に犬にとっていいのでしょうか。

特に気になるのはドッグフードと犬の寿命の関係です。今回は、ドッグフードは寿命とどう関係しているのか、研究データも参考にしつつお話しさせていただきます。

ドッグフードの種類は寿命と関係する?

ドッグフードと病気、病気と寿命は関係する

現在のところ、ドッグフードの種類と寿命がどう関係するのかというデータは、残念ながらほとんどありません。ただし、以下の2点に関してはある程度分かっています。

・フードの成分によっては、特定の病気を起こしやすいこと
・特定の病気があると寿命が短くなること

つまり、ドッグフードが寿命に影響することに疑いはありません。また、腎不全などの病気があった場合には、その病気に合ったドッグフードを食べることで寿命が伸びるということも証明されています。

ドッグフードが健康的な生活を送る鍵

基本的に食事と健康の関係は、人でも犬でも同じです。良い内容の食事を食べれば健康的な生活が送れますし、病気の予防や寿命の延長も期待できます。

では、具体的にどのような成分に気を付けることで病気の予防ができ、寿命を長くできるのでしょうか?ドッグフードで気を付ける点を、以下にご説明します。

ドッグフードで気を付けたい点

栄養バランス

現在、犬に必要な栄養素はAAFCO(全米飼料検査官協会:Association of American Feed Control Official)によって規定されています。その基準に当てはまっているフードは、栄養バランスがしっかり取れていると安心してもらってもいいでしょう。

栄養バランスの不均衡は、クル病や股関節形成不全などの骨格の発達の異常や、肥満、皮膚病、糖尿病、腎不全などさまざまな慢性疾患の原因となります。栄養バランスが取れているフードを選ぶことは、長く元気に生きるために最も基本的なことですね。

塩分

塩分は人と同様、犬の腎臓および心臓に負担をかけます。塩分濃度が高い食事をとると、塩分によって体の水分が増加し、血圧が上昇します。その結果、体に血液を巡らせるための心臓や、血圧と密接にかかわる腎臓に負担がかかってしまいます。

成犬の必要塩分量は、ナトリウムとして0.06%と言われています。特に心臓や腎臓の悪い犬や、潜在的に腎臓が弱い可能性の高い高齢犬ではナトリウム濃度が高いフードはすすめられません。塩分が多いフードは嗜好性が高いため、食べをよくするために塩分を増やしているフードがあるので注意が必要です。

腎不全の犬では、減塩などをした腎不全用フードによって、予後が大きく改善するというデータが存在します。一般食を食べていると188日の平均生存日数が、腎不全用フードでは実に3倍以上の593日になるという研究結果です。

心不全でも塩分を抑えるメリットは証明されていますので、心不全や腎不全の予防及び進行防止をして寿命を延ばすためには塩分控えめフードがおすすめです。

関連:購入する前に注意したい!ドッグフードに含まれる塩分について 犬に必要な塩分量ってどれくらい?

カロリー

カロリーが高いフードを食べると、当然体重が増え、肥満のリスクが増加します。肥満はさまざまな病気のリスクを高めることが分かっており、その結果寿命にも影響します。肥満によってリスクが上がるという研究結果が出ている病気は以下の通りです。

骨格・関節の病気

肥満は関節炎や椎間板ヘルニアなどのリスクを高めます。これらの疾患は直接寿命へ影響するわけではありませんが、痛みなどのストレスから他の病気の引き金となったり、QOL(生活の質)を低下する原因となります。

糖尿病

犬には人の2型糖尿病と同じタイプの糖尿病が多く発生します。2型糖尿病は、肥満などによって「インスリン抵抗性」が高くなることで発症します。糖尿病の犬とそうでない犬では当然寿命に大きな違いが生まれます。

呼吸器疾患

特にチワワやパグなどの短頭種では、肥満による呼吸困難がしばしばみられます。もともと気道が狭い犬種では、肥満があるとさらに気管が圧迫されて、ガーガーと苦しそうな呼吸をするようになります。そのような呼吸困難がひどくなると、突然死や熱中症、心不全などのリスクを高め、寿命を縮めてしまいます。

添加物

ドッグフードには、品質や見た目、風味を維持するために添加物が含まれています。添加物の犬への影響はまだあまり研究されていませんが、少なくとも、皮膚病や肝臓病などへの影響はあると考えられます。皮膚病や肝酵素の上昇などに苦しんでいた犬が、オーガニックフードや手作り食に変えて病気が解決するという例を多く見かけます。

また、ある研究では手作り食と市販フードを食べていた犬で、平均32カ月も寿命が違ったというデータを出しています。もちろん市販フードにもさまざまな物があるため、一概に手作り食が優れているとは言い切れませんが、少なくとも市販フードでは添加物が寿命に何らかの影響を与える可能性が高いとは言えるでしょう。

関連:ドッグフードと添加物 悪い添加物ばかりではない?

まとめ

人と違い、多くの犬は毎日全く同じドッグフードを食べ続けることが多いです。そのため、ドッグフード選びを間違えると、毎日犬に負担をかけ続けてしまう結果になりかねません。

犬の寿命はここ30年で2倍になったといわれていますが、その一因はドッグフードの品質の向上によるものとも言われています。この記事で紹介したことからもわかる通り、寿命と密接に関係するドッグフード選びは慎重にしてあげたいですね。

筆者adiantumg紹介

小さいころから犬・猫を含めてさまざまな動物が好きで、獣医師を目指す。2005年に獣医科大学を卒業し、獣医師免許を取得。2件の動物病院で合計9年勤務。

犬・猫・シマリス・熱帯魚の飼育経験あり。現在夜間救急動物病院で勤務しつつ、今年度中に自身の動物病院を開業予定。

病気になる前にドッグフードをチェック!!

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